○結城市職員等からの内部通報に関する要項
令和4年5月27日
訓令第14号
結城市における職員等からの内部通報の処理に関する要項(平成24年結城市訓令第1号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この訓令は、公益通報者保護法(平成16年法律第122号)の規定に基づき、職員等が知り得た市政運営上の違法又は不当な行為に関して行われる通報等について必要な措置を定めることにより、通報者の保護を図るとともに、公正な職務の執行及び適正な市政の運営に資することを目的とする。
(1) 職員等 次のいずれかに該当する者をいう。
ア 市職員(市長、副市長、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職の職員、同条第3項第3号に規定する職にある者、同法第22条の2第1項に規定する会計年度任用職員並びに同法第28条の4第1項及び第28条の5第1項に規定する再任用職員をいう。以下同じ。)
イ 委託先事業者(本市の事務又は事業を受託し、又は請け負った事業者及び指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。以下同じ。)の役員及びその従業員(以下「委託先事業者の役職員」という。)
(2) 法令違反行為 市及び市職員等の職務の執行並びに委託先事業者及び委託先事業者の役職員等の市の事務又は事業への従事に関する法令(法律、法律に基づく命令(告示を含む。)、条例、規則、訓令、規程等をいう。以下同じ。)に違反する行為又は適正な業務の執行に係る不当な行為
(3) 内部通報 法令違反行為が生じ、又はまさに生じようとしていることを通報窓口又は職制上の上司に通報することをいう。
(4) 通報窓口 通報を受け付ける窓口をいう。
(5) 対象事案 通報窓口に対して内部通報された事案をいう。
(6) 通報対応業務 次に掲げる業務をいう。
ア 内部通報を受け付ける業務
イ 対象事案を調査する業務
ウ 対象事案の是正措置その他必要な行為(以下「是正措置等」という。)を検討し、及び実行する業務
(7) 通報等 内部通報及び内部通報に関する相談をいう。
(8) 通報者 内部通報を行う者をいう。
(9) 従事者 通報窓口において受け付ける内部通報に関して通報対応業務を行う者であり、かつ、通報をした者を特定させる事項を伝達される者をいう。
(10) 範囲外共有 通報者を特定させる事項を必要最小限の範囲を超えて共有する行為をいう。
(11) 通報者の探索 通報者を特定しようとする行為をいう。
(通報対応責任者及び通報対応事務管理者)
第3条 通報対応業務を統括する通報対応責任者を置き、総務部長をもってこれに充てる。
2 通報対応責任者は、通報等に係る対応に関する規程の整備、通報に係る調査の進捗の管理、通報等を理由とする不利益な取扱いの防止その他通報等への適切な対応の確保に関する事務を総括するものとする。
3 前項に規定する事務を管理する通報対応事務管理者を置き、総務課長をもってこれに充てる。
(内部通報制度委員会の設置)
第4条 内部通報を適切に処理するため、内部通報制度委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会は、委員長、副委員長及び委員で組織する。
3 委員長は副市長をもって充て、副委員長は通報対応責任者をもって充てる。
4 委員は、部長(結城市行政組織規則(昭和47年結城市規則第1号)第11条に規定する部長をいう。)及びそれに相当する職にある者(以下「部長等」という。)のうちから委員長が指名する。
5 委員会の会議は、委員長が招集し、主宰する。
6 委員長に事故があるとき、又は欠けたときは、副委員長がその職務を代理する。
7 委員会の構成員は、自らが関係する内部通報に係る委員会の会議に参加することはできない。
(委員会の職務)
第5条 委員会は、通報対応業務に関する審議を行う。
(事務局の設置)
第6条 委員会の職務に係る事務を補助するため、委員会の事務局を総務部総務課(以下「総務課」という。)に置く。
2 事務局に事務局員を置き、総務課に属する職員のうちから総務課長が指名する。
(通報窓口の設置)
第7条 通報等を受け付けるため、総務課に通報窓口を設置する。
2 通報窓口に通報窓口担当職員(以下「通報窓口担当者」という。)を置く。
3 通報窓口担当者は、総務課に属する職員のうちから通報対応事務管理者が指名する。
4 通報対応事務管理者は、通報窓口担当者であって通報をした者を特定させる事項を伝達される者を従事者として指定し、書面、電子メール等により通知しなければならない。
(通報窓口の利用)
第8条 職員等(通報の日前1年以内に職員等であった者及び法令遵守を確保する上で必要と認められる者を含む。次項において同じ。)は、通報窓口に対し、次に掲げる事項を電話、郵便、信書便、ファクシミリ、電子メール又は面談の方法により知らせることで、内部通報をすることができる。
(1) 法令違反行為に関する事実の内容
(2) 法令違反行為が生じ、又は生じようとしていると思料する理由
2 職員等は、匿名で通報窓口を利用することができる。
(通報の受付)
第9条 通報窓口担当者は、正当な理由なく通報の受付を拒んではならない。
2 通報窓口担当者は、通報を受け付けたときは、通報者の氏名及び連絡先(匿名による通報の場合を除く。)、通報の内容となる事実等を把握するとともに、通報者に対して不利益な取扱いは行われないこと、通報に関する秘密は保持されること、個人情報は保護されること、通報受付後の手続等を通報者に説明するものとする。ただし、通報者が説明を望まないとき、匿名による通報であるときその他やむを得ない理由があるときは、この限りでない(次項において同じ。)。
3 通報窓口担当者は、通報を受け付けたときは、委員会に報告しなければならない。
4 通報対応責任者は、委員会が受け付けた通報の受理を決定したときは受理した旨を、受理しないことを決定したときは受理しない旨及びその理由を決定し、その結果を当該通報者に遅滞なく通知するものとする。
5 通報対応責任者は、当該通報に係る受理又は不受理の結果について、市長に報告しなければならない。この場合において、通報者を特定させる事項は報告しないものとする。
(調査)
第10条 委員会は、内部通報を受理したときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、通報対応責任者に命じ、直ちに必要な調査を実施するものとする。
(1) 通報により調査中の対象事案と同種案件であるもの
(2) 既に対象事案に関する調査又は是正措置等がとられ解決済みであるもの
(3) 通報者と連絡が取れず事実確認ができないもの
(4) その他調査を行わない正当な理由があるもの
2 通報対応責任者は、調査を行う場合はその旨及び調査に着手する時期を、調査を行わない場合はその旨及び理由を、通報者に遅滞なく通知しなければならない。ただし、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がある場合は、この限りでない。
3 通報対応責任者は、対象事案について、通報窓口担当者その他適正に調査を行える者を調査担当者として指定し、調査を担当させるものとする。
4 調査は、通報に関する秘密を保持するとともに、個人情報を保護するため、通報者が特定されないように十分に留意しつつ、遅滞なく、必要かつ相当と認められる方法で行うものとする。
5 通報対応事務管理者は、調査担当者に通報者を特定させる事項を伝達する場合は、当該調査担当者を従事者として指定し、書面、電子メール等により通知しなければならない。
6 調査担当者は、調査の方法、内容等の適正性を確保するとともに、調査の適切な進捗を図るため、通報対応責任者に適宜報告しなければならない。
7 通報対応責任者は、通報者に対し、調査の進捗状況について適宜通知するとともに、調査結果を速やかにとりまとめ、遅滞なく通知するものとする。ただし、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がある場合は、この限りでない。
8 調査担当者は、調査の結果を通報対応責任者に報告しなければならない。
9 通報対応責任者は、前項の規定による報告を受けた場合は、その内容を委員会に報告しなければならない。
10 通報対応責任者は、調査結果を市長に報告しなければならない。この場合において、通報者を特定させる事項は報告しないものとする。
11 通報対応責任者は、市長、副市長、部長等及び会計管理者(以下「市幹部職員」という。次条第7項において同じ。)が関与する法令違反行為が明らかとなった場合は、調査に関する独立性を確保するため、監査委員にその事実を報告するとともに、調査の経過について報告するものとする。
(是正措置等)
第11条 委員会は、前条の調査の結果、是正措置等が必要であると認めるときは、通報対応責任者に是正措置等の実行を命ずるものとする。
2 通報対応責任者は、当該通報窓口担当者その他適正に是正措置等を行える者を対象事案の是正措置等を検討又は実行をする者(以下「是正措置等担当者」という。)として指定し、是正措置等の検討又は実行を担当させるものとする。
3 通報対応事務管理者は、是正措置等担当者に通報者を特定させる事項を伝達する場合は、当該是正措置等担当者を従事者として指定し、書面、電子メール等により通知しなければならない。
4 是正措置等担当者は、是正措置等を講じた場合は、その内容を通報対応責任者に報告しなければならない。
5 通報対応責任者は、前項の規定による報告を受けた場合は、その内容を委員会に報告しなければならない。
6 通報対応責任者は、第4項の規定による報告を受けた場合は、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、通報者に対し、速やかに通知するものとする。
7 通報対応責任者は、市幹部職員が関与する法令違反行為が明らかとなった場合は、是正措置等の検討及び実行に関する独立性を確保するため、監査委員にその経過について報告するものとする。
8 通報対応責任者は、是正措置等が十分に機能していることを確認し、必要があると認めるときは、新たな是正措置その他の改善を講じなければならない。
(記録の保存)
第12条 内部通報への対応に関する記録は、対応終了後10年間保存するものとする。
(通報対応の公表)
第13条 通報対応責任者は、内部通報の概要、調査結果、是正措置等の内容その他の必要と認める事項を適宜公表するものとする。
(協力義務)
第14条 職員等は、通報対応責任者が行う調査に協力しなければならない。
2 職員等は、調査を受ける場合には、これに誠実に応じなければならず、虚偽を述べてはならない。
(通報等をした者等の保護)
第15条 市及び職員等は、通報等をした者に対して、通報等をしたことを理由として不利益な取扱いを行ってはならない。
2 職員等は、調査に協力をした者(以下「調査協力者」という。)に対して、対象事案に関する調査に協力をしたことを理由として不利益な取扱いを行ってはならない。
4 市は、通報者及び調査協力者に対する不利益な取扱いが行われた場合は、当該不利益な取扱いを受けた者に対して適切な救済及び回復のための措置を講じなければならない。
(通報者の探索の禁止)
第16条 職員等は、通報者の探索を行ってはならない。
(範囲外共有の禁止)
第17条 委員会の構成員、通報窓口担当者及び通報等への対応に付随する業務を通じて通報等に関する秘密を知り得た職員等(以下「通報等関与職員」という。)は、通報者を特定させる事項を必要最小限の範囲において共有するものとし、範囲外共有を行ってはならない。
(秘密保持)
第18条 通報等関与職員は、この訓令に定めるもののほか、法令による場合その他の正当な理由がない限り、次に掲げる行為を行ってはならない。
(1) 対象事案に関する秘密を漏らすこと。
(2) 対象事案に関して知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用すること。
(利益相反の排除)
第19条 次の各号のいずれかに該当する者は、対象事案の通報窓口担当者、調査担当者又は是正措置等の検討若しくは実行に関与する者となることができない。
(1) 法令違反行為の発覚及び調査の結果により実質的に不利益を受ける者
(2) 対象事案に関する調査又は法令違反行為の是正措置等の検討若しくは実施の公正さを阻害するおそれのある者
2 通報窓口担当者は、自らが前項各号のいずれかに該当する内部通報を受け付けた場合は、他の通報窓口担当者に引き継がなければならない。
3 調査担当者又は是正措置等の検討若しくは実行に関与する者は、それぞれ業務に着手する際に第1項各号のいずれにも該当しないことを確認し、そのいずれかに該当する場合は、通報対応責任者に報告しなければならない。
4 通報対応責任者は、前項の規定による報告をした者を対象事案に関与させてはならない。
(職制上の上司への通報)
第20条 職員等は、職制上の上司に対して内部通報をすることができる。
2 前項の内部通報を受けた者は、事案の内容、緊急性等に応じて、次に掲げる方法により必要な措置を講ずるものとする。
(1) 自ら事実確認の実行及び是正
(2) 通報窓口への通報
(3) 自らの上司への当該内部通報の報告
(4) その他当該内部通報の調査及び是正に関する適切な措置
(公益通報者保護法第3条第2号又は第3号に規定する通報を行った者の保護等)
第21条 市、職員等及び委託先事業者は、公益通報者保護法第3条第2号及び第3号に規定する要件を満たす公益通報をした者に対して、当該通報をしたことを理由として、不利益な取扱いを行ってはならない。
2 職員等は、前項の公益通報をした者を特定させる事項を範囲外共有してはならない。
3 職員等は、第1項の公益通報をした者を特定しようとしてはならない。
(不正の目的による通報の禁止)
第22条 職員等は、虚偽の通報、他人を誹謗中傷する目的の通報その他の不正の目的の通報をしてはならない。
(教育等)
第23条 市は、従事者に対し、必要な知識及び技能の向上を図るため必要な教育、研修等を行うものとする。
2 市は、職員等に対し、通報窓口及びこの要項に定める通報対応体制について、教育又は周知を行うものとする。
3 市は、通報に関する秘密保持及び個人情報の保護並びに適正な業務の遂行及び利害関係者の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障が生じない範囲において、通報窓口の運用実績について職員等に周知するものとする。
4 市は、職員が不利益な取扱いの内容等に応じて利用できる公平委員会の制度について周知するものとする。
(通報対応の公表及び改善)
第24条 市は、通報対応体制の運用状況に関する事項を、通報に関する秘密保持及び個人情報の保護並びに適正な業務の遂行及び利害関係者の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障が生じない範囲において、定期的に公表するものとする。
2 市は、通報対応体制の運用状況について定期的に評価及び点検を行うとともに、必要に応じて通報対応体制を継続的に改善するものとする。
(処分等)
第25条 市は、次の各号のいずれかに該当した市職員に対し、地方公務員法第29条の規定による懲戒処分又は必要な措置を講ずるものとする。
(1) 第10条の調査の結果、法令違反行為が明らかになった場合
(2) 第15条に規定する通報等をした者等に対する保護に違反した場合
(3) 第16条に規定する通報者の探索の禁止に違反した場合
(4) 第17条に規定する範囲外共有の禁止に違反した場合
(5) 第18条に規定する秘密保持に違反した場合
(6) 第19条第1項各号のいずれかに該当することを報告せず通報対応業務に関与した場合
(7) 第21条各項に規定する事項に違反した場合
(8) 第22条に規定する不正の目的による通報を行った場合
3 市は、前2項に掲げる事項のいずれかに該当した委託先事業者の役職員に対し、必要な処置を講ずることができる。
(出向を命ぜられた職員の適用除外)
第26条 他の機関に出向を命ぜられた職員については、その機関に内部通報に関する定めがある場合は、この訓令を適用しない。
(補則)
第27条 この訓令に定めるもののほか、内部通報に関し必要な事項は、市長が別に定める。
付則
(施行期日)
1 この訓令は、令和4年6月1日から施行する。
(結城市職員の懲戒処分等の基準の一部改正)
2 結城市職員の懲戒処分等の基準(平成29年結城市訓令第13号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略