○結城市ハラスメント防止条例

令和5年12月25日

条例第29号

職場におけるハラスメントは、被害者の能力発揮を著しく制限するにとどまらず、当事者相互の信頼関係を破壊し、組織全体の円滑な業務遂行を阻害して、ひいては行政サービスの低下による市民への不利益をもたらしかねない重大な人権侵害行為である。

このような問題を発生させないためには、社会的規範に従い、ハラスメントに関する知識を深め、ハラスメントの防止に取り組むことで、良好な職場環境を確立しなければならない。

いずれも全体の奉仕者である市の職員、市長等及び議員は、本市の職場におけるハラスメントを防止し、健全で風通しの良い職場環境を確立することを決意し、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、職場におけるハラスメントの防止のための措置及びハラスメントに起因する問題への被害者に配慮した適切な対応を行うことにより、職員、市長等及び議員が身分、職位及び職責にかかわらず、互いに信頼し、人権を尊重することで、もってそれぞれの能力を発揮することができる良好な職場環境を確立することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する職員(同法第22条の2第1項に規定する会計年度任用職員、同法第22条の3第4項に規定する臨時的任用職員及び地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律(平成14年法律第48号)の規定に基づき任期を定めて採用された職員を含む。)で、本市に勤務するものをいう。

(2) 市長等 市長、副市長及び教育長をいう。

(3) 管理監督者 地方公務員法第28条の2に規定する管理監督職にある職員をいう。

(4) ハラスメント 次のからまでに定める行為の総称をいう。

 セクシュアル・ハラスメント 他の者を不快にさせる職場における性的な言動をいう。

 パワー・ハラスメント 職務上の地位若しくは権限又は職場における優位な立場を背景に、業務上適切であると認められる範囲を超えて他の者の人格を辱め、又は尊厳を害する言動を行うことにより、精神的若しくは身体的な苦痛を与え、又は勤務環境を害することをいう。

 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント 職場において行われる次に掲げるものをいう。

(ア) 妊娠又は出産をしたこと、妊娠又は出産に起因する症状により勤務することができないこと若しくはできなかったこと又は能率が低下したこと、不妊治療を受けること等に関する言動により勤務環境が害されること。

(イ) 妊娠、出産、育児又は介護に関する制度又は措置の利用に関する言動により勤務環境が害されること。

 その他のハラスメント からまでに掲げるもののほか、誹謗、中傷、風評等により人権を侵害し、又は不快にさせる行為をいう。

(5) 職場 職員がその職務を遂行する場所(出張先その他職員が通常業務を遂行する場所以外で実質的に職場と同視すべき場所等を含む。)をいう。

(市長等の責務)

第3条 市長は、職員がその能力を十分に発揮できる職場環境を確保するため、職員に対しハラスメントの防止に関する研修等の周知啓発を行い、ハラスメントに対応する相談、調査、審議等に関する体制を整備するとともに、ハラスメントに起因して職員の職場環境が害され、又は職員に不利益が生じた場合は、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。

2 副市長は、市長を補佐して、その責務を遂行しなければならない。

3 教育長は、教育行政の運営において、この条例の目的を実現するよう、その職務を遂行しなければならない。

(議長及び議員の責務)

第4条 議長は、議員がその能力を十分に発揮して活動できる環境を確保するため、議員に対するハラスメントの防止に努めるとともに、ハラスメントに起因して議員が活動できる環境を害され、又は議員に不利益が生じた場合は、ハラスメントを受けた議員に配慮しつつ、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。

2 議員は、市民の代表者として、市政に携わる権能及び責務を自覚するとともに常に高い倫理観を持ち、ハラスメントの防止に努めなければならない。

(管理監督者の責務)

第5条 管理監督者は、職員の育成及び能力開発が責務であることに留意するとともに職場におけるハラスメントの防止に努めなければならない。

2 管理監督者は、ハラスメントに起因する問題が生じた場合においては、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。

3 管理監督者は、苦情等の申出、調査への協力その他のハラスメントに対する当該職員の対応に起因して、当該職員が職場において不利益を受けることがないように配慮しなければならない。

(職員の責務)

第6条 職員は、他の職員に対し、職務遂行上の対等なパートナーとして互いの人権を尊重しなければならない。

2 職員のうち、係長職その他の職員を監督する立場にある者は、職場におけるハラスメントの防止に努めるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合においては、管理監督者とともに必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。

(ハラスメントの禁止)

第7条 職員、市長等及び議員は、ハラスメントが個人の尊厳を不当に傷つけ、人権侵害に当たることを理解し、他者に対しハラスメントを行ってはならない。

(委任)

第8条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則その他の規程で定める。

この条例は、令和6年1月1日から施行する。

結城市ハラスメント防止条例

令和5年12月25日 条例第29号

(令和6年1月1日施行)