○豊後高田市環境基本条例
平成30年6月28日
条例第20号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 基本的施策等(第7条―第23条)
附則
私たちが住む豊後高田市は、緑深き山々、美しい海岸部の自然景観や農村集落景観、六郷満山文化ゆかりの史跡をはじめとした歴史文化などの地域資源に恵まれており、この豊かな環境は、市民共有の財産である。
しかしながら、近年の資源やエネルギーを大量に消費する社会経済活動は、私たちに物質的な豊かさをもたらした反面、環境への負荷を著しく増大させ、自然の生態系へ影響を及ぼし、地域の環境のみならず、すべての生命の生存基盤である地球環境をも脅かすに至っている。
私たちは、自然から多くの恵みを受けていることを改めて自覚し、この恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な循環型社会の構築を目指していかなければならない。
このような認識に立ち、これまでの日常生活や事業活動を見直し、市、市民及び事業者が互いに連携して環境の保全及び創造と経済発展の両立に取り組み、環境にやさしいまち、住みよいまち豊後高田を実現するため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境の保全及び創造について、基本理念を定め、並びに市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、これらの施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来において市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全及び創造は、市民が健康で文化的な生活を営むことのできる健全で恵み豊かな環境を確保し、及び向上させ、並びにその環境が将来の世代に継承されるよう適切に行われなければならない。
2 環境の保全及び創造は、人間が生態系の一部として存在し、自然から多くの恵みを受けていることを認識して、生物の多様性の確保に配慮し、人と自然が共生していくことを目的として行われなければならない。
3 環境の保全及び創造は、すべての者の公平な役割分担の下、社会経済活動その他の活動による環境への負荷を低減し、環境に配慮した持続的発展が可能な循環型社会の構築が行われなければならない。
4 地球環境保全は、すべての日常生活及び事業活動において積極的に推進されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める環境の保全及び創造についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全及び創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 市は、基本理念にのっとり、自らの事務及び事業の実施に当たっては、率先して環境への負荷の低減に努めるとともに、市民及び事業者が行う環境の保全及び創造のための活動に対し、支援又は協力するよう努めなければならない。
(市民の責務)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、資源の循環的な利用、エネルギーの有効活用、廃棄物の減量、温室効果ガスの排出抑制等を進めることにより、日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。
2 市民は、基本理念にのっとり、環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に当たっては、これに伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。
2 事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全及び創造上の支障を防止するため、資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用、廃棄物の減量、温室効果ガスの排出抑制等を進めることにより、事業活動に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。
3 事業者は、基本理念にのっとり、地域の構成員として、地域の環境の保全及び創造に貢献するよう努めなければならない。
4 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力するよう努めなければならない。
第2章 基本的施策等
(施策の基本方針)
第7条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を策定し、及び実施するに当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる事項の確保を旨として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ総合的かつ計画的に行わなければならない。
(1) 人の健康が保護され、並びに生活環境及び自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。
(2) 生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。
(3) 人と自然との豊かな触れ合いが保たれること。
(4) 水や緑に親しむことのできる生活空間の形成、地域の特性を活かした景観の形成、歴史的文化的遺産の保全及び活用等が推進されること。
(5) 環境への負荷の低減が図られるよう、資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用、廃棄物の減量等が促進されること。
(6) 環境の保全及び創造を行うに当たって、市、市民及び事業者が協働して取り組むことのできる仕組みが構築されること。
(環境基本計画)
第8条 市長は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境の保全及び創造に関する目標及び施策の基本的方向
(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 市長は、環境基本計画を定めようとするときは、あらかじめ、豊後高田市環境審議会条例(平成17年豊後高田市条例第162号)第1条に規定する審議会の意見を聴かなければならない。
4 市長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく公表しなければならない。
5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
(施策の策定等に当たっての配慮)
第9条 市は、環境に影響を及ぼすおそれのある施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境の保全及び創造について配慮しなければならない。
(協定の締結)
第10条 市長は、環境の保全及び創造を図るため、必要があると認めるときは、本市の区域内に事業場等を設置しようとする者又は設置している者との間に環境の保全及び創造に関する協定を締結するものとする。
(経済的措置等)
第11条 市は、市民及び事業者が自ら行う環境への負荷の低減を図るための活動又は環境保全の活動に対し、必要があると認めるときは、助成、支援その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
(環境の保全及び創造に関する施設の整備その他の事業の推進)
第12条 市は、公共下水道、公共的な廃棄物の処理施設の整備その他の環境の保全上の支障の防止に資する事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
2 市は、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
(自然環境の保全等)
第13条 市は、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境の適正な保全及び生物の多様性の確保に努めるとともに、人と自然との豊かな触れ合いを確保するよう努めるものとする。
(資源の循環的利用等の促進)
第14条 市民及び事業者は、持続的発展が可能な循環型社会の実現のため、自らの日常生活及び事業活動を見直すよう努めるものとする。
2 市、市民及び事業者は、持続的発展が可能な循環型社会の実現のため、資源及びエネルギー消費の抑制、資源の循環的な利用並びに廃棄物の減量が促進されるよう努めなければならない。
3 市は、環境への負荷の低減を図るため、市の施設の建設、維持管理等を行うに当たっては、廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用に努めるものとする。
4 市は、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する製品、原材料、エネルギー等の利用が促進されるよう努めるものとする。
(環境教育の推進)
第15条 市は、次に掲げる目的のため、環境の保全及び創造に関する教育及び学習(以下「環境教育」という。)を充実し、地域及び対象者に応じた内容及び方法による環境教育が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
(1) 市民及び事業者が、環境の保全及び創造についての関心と理解を深めること。
(2) 市民及び事業者による自発的な環境の保全及び創造に関する活動が促進されること。
2 市は、持続的発展が可能な循環型社会の構築に貢献できる人材の育成を目指し、次に掲げる目的のため、家庭、学校、地域、職場等と連携して、環境教育を推進するものとする。
(1) 将来を担う子どもたちが、環境に対する課題を発見し、人としての責任及び役割を理解すること。
(2) 将来を担う子どもたちが、環境に関する行動を通じた思考・判断能力を育むこと。
(自発的な活動の促進)
第16条 市は、市民、事業者又はこれらの者が組織する団体が自発的に行う環境美化活動、自然保護活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全及び創造に関する活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
(環境情報の提供)
第17条 市は、市民、事業者又はこれらの者が組織する団体が自発的に行う環境の保全及び創造に関する活動を促進するため、必要な情報の提供に努めるものとする。
(監視等体制の整備)
第18条 市は、環境の状況を把握し、環境の保全及び創造に関する施策を適正に実施するために必要な監視、測定及び検査等の体制の整備に努めるものとする。
(協働による推進)
第19条 市、市民及び事業者は、協働して環境の保全及び創造に関する施策を効率的かつ効果的に推進するよう努めなければならない。
(国及び他の地方公共団体との協力)
第20条 市は、環境の保全及び創造に係る広域的な取組を必要とする施策については、国及び他の地方公共団体と協力して推進するよう努めるものとする。
(財政上の措置)
第21条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を推進するために、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(地球環境保全の推進)
第22条 市は、市民及び事業者と協働して、地球温暖化の防止、オゾン層の保護、海洋汚染の防止その他の地球環境保全に関する施策を推進するものとする。
(年次報告等)
第23条 市長は、必要に応じて環境の状況並びに環境の保全及び創造に関する施策の実施状況を公表するものとする。
附則
この条例は、平成30年7月1日から施行する。