○大津市伝統的建造物群保存地区保存条例
平成元年9月29日
条例第59号
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第143条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定に基づき、本市が定める伝統的建造物群保存地区に関し、現状変更の規制その他その保存のため必要な措置を定め、もって市民の文化的向上に資することを目的とする。
(平17条例28・一部改正)
(1) 伝統的建造物群 法第2条第1項第6号に規定する伝統的建造物群をいう。
(2) 伝統的建造物群保存地区 法第142条に規定する伝統的建造物群保存地区をいう。
(3) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。
(4) 建造物 建築物その他の工作物をいう。
(5) 伝統的建造物 伝統的建造物群を構成していると認められる建造物をいう。
(6) 環境物件 伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するために特に必要と認められる物件をいう。
(平17条例28・一部改正)
(保存計画)
第3条 市長は、伝統的建造物群保存地区(以下「保存地区」という。)が定められたときは、大津市伝統的建造物群保存審議会(以下第10条第1項を除き、「審議会」という。)の意見を聴いて当該保存地区の保存に関する計画(以下「保存計画」という。)を定めなければならない。
(1) 保存地区の保存に関する基本計画に関する事項
(2) 保存地区内における伝統的建造物及び環境物件の決定に関する事項
(3) 保存地区内における建造物及び環境物件の保存整備計画に関する事項
(4) 保存地区内における建造物及び環境物件に係る助成措置等に関する事項
(5) 保存地区の保存のため必要な管理施設及び設備並びに環境の整備に関する事項
3 市長は、第1項の保存計画を定めたときは、これを告示しなければならない。
(令4条例4・一部改正)
(現状変更行為の規制)
第4条 保存地区内における次に掲げる行為については、あらかじめ、市長の許可を受けなければならない。
(1) 建造物の新築、増築、改築、移転又は除却
(2) 建造物の修繕、模様替え又は色彩の変更で、その外観を変更することとなるもの
(3) 宅地の造成その他の土地の形質の変更
(4) 木竹の伐採
(5) 土石の類の採取
(6) 水面の埋立て又は干拓
(1) 非常災害のために必要な応急措置として行う行為
(2) 次に掲げる工作物(建築物以外の工作物をいう。以下同じ。)の新築、増築、改築、移転又は除却
ア 仮設の工作物
イ 水道管、下水道管、井戸その他これらに類する工作物で、地下に設けるもの
(3) 次に掲げる木竹の伐採
ア 間伐、枝打ち、整枝等木材の保育のために通常行われる木竹の伐採
イ 枯損した木竹又は危険な木竹の伐採
ウ 森林病害虫等防除のために必要な木竹の伐採
エ 自家の生活の用に充てるために必要な木竹の伐採
オ 仮植した木竹の伐採
(4) 前各号に掲げるもののほか、次に掲げる行為
ア 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為
イ 滋賀県公安委員会が行う道路標識等の設置又は管理に係る行為
ウ 農林漁業を営むために行う行為。ただし、次に掲げるものを除く。
(ア) 建造物(仮設の工作物を除く。)の新築、改築、増築、移転又は除却
(イ) 用排水施設又は幅員が2メートルを超える農道若しくは路肩部分及び屈曲部又は待避所として必要な拡幅部分を除く部分の幅員が3メートルを超える林道の設置
(ウ) 宅地の造成又は土地の開墾
(エ) 森林の択伐又は皆伐(林業を営むために行うものを除く。)
(オ) 水面の埋立て又は干拓
3 市長は、第1項の規定による許可を与える場合には、保存地区の保存のため必要な限度において条件を付すことができる。
(令4条例4・一部改正)
(1) 伝統的建造物の増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、それらの行為後の伝統的建造物の位置、規模、形態、意匠又は色彩が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。
(2) 伝統的建造物の移転(同一保存地区内における当該伝統的建造物の移築を含む。以下この号において同じ。)については、移転後の伝統的建造物の位置及び移転後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。
(3) 伝統的建造物の除却については、除却後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。
(4) 伝統的建造物以外の建造物の新築、増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、それらの行為後の当該建造物の位置、規模、形態、意匠又は色彩が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。
(5) 前号の建造物の移転については、移転後の当該建造物の位置及び移転後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。
(6) 第4号の建造物の除却については、除却後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。
(8) 前各号に定めるほか、当該行為後の建造物又は土地の用途等が当該伝統的建造物群の保存又は当該保存地区の環境の維持に著しい支障を及ぼすおそれがないものであること。
(令4条例4・一部改正)
(令4条例4・一部改正)
(1) 都市計画法(昭和43年法律第100号)による都市計画事業の施行として行う行為
(2) 都市計画法により国、滋賀県若しくは本市又は当該都市計画施設を管理することとなる者が当該都市施設又は市街地開発事業に関する都市計画に適合して行う行為
(3) 河川法(昭和39年法律第167号)第3条第1項に規定する河川又は同法第100条第1項の規定により指定された河川の改良工事の施行又は管理に係る行為
(4) 砂防法(明治30年法律第29号)による砂防工事の施行又は砂防設備の管理(同法に規定する事項が準用されるものを含む。)に係る行為
(5) 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)による地すべり防止工事の施行に係る行為
(6) 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)による急傾斜地崩壊防止工事の施行に係る行為
(7) 森林法(昭和26年法律第249号)第5条の地域森林計画に定める林道の新設及び管理に係る行為
(8) 森林法第41条に規定する保安施設事業の施行に係る行為
(9) 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和26年法律第97号)又は農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律(昭和25年法律第169号)に規定する林地荒廃防止施設災害復旧事業の施行に係る行為
(10) 国有林野内において行う国民の保健休養の用に供する施設の設置又は管理に係る行為
(11) 独立行政法人水資源機構法(平成14年法律第182号)第12条第1項第1号及び第2号に規定する業務に係る行為
(12) 道路法(昭和27年法律第180号)による道路の改築(小規模の拡幅、舗装、こう配の緩和、線形の改良その他道路の現状に著しい変更を及ぼさないものに限る。)、維持、修繕又は災害復旧に係る行為
(13) 道路運送法(昭和26年法律第183号)による一般自動車道の造設(当該自動車道と当該自動車道以外の道路とを連絡する施設の造設を除く。)又は管理に係る行為
(14) 自動車ターミナル法(昭和34年法律第136号)によるバスターミナルの設置又は管理に係る行為
(15) 交通監視塔等道路交通の安全のために必要な施設の設置又は管理に係る行為
(16) 漁港及び漁場の整備等に関する法律(昭和25年法律第137号)第3条第1号に掲げる基本施設若しくは同条第2号イ及びロに掲げる機能施設に関する工事の施行又は漁港施設の管理に係る行為
(17) 気象、地象又は洪水その他これに類する現象の観測又は通報の用に供する設備の設置又は管理に係る行為
(18) 自然公園法(昭和32年法律第161号)又は滋賀県立自然公園条例(昭和40年滋賀県条例第30号)による公園事業の執行に係る行為
(19) 都市公園法(昭和31年法律第79号)による都市公園又は公園施設の設置又は管理に係る行為
(20) 土地改良法(昭和24年法律第195号)による土地改良事業の施行に係る行為
(21) 地方公共団体又は農業等を営む者が組織する団体が行う農業構造、林業構造又は漁業構造の改善に関し必要な事業の施行に係る行為
(22) 法第27条第1項の規定により指定された重要文化財、法第78条第1項の規定により指定された重要有形民俗文化財、法第92条第1項に規定する埋蔵文化財又は法第109条第1項の規定により指定され、若しくは法第110条第1項の規定により仮指定された史跡名勝天然記念物の保存に係る行為並びに滋賀県文化財保護条例(昭和31年滋賀県条例第57号)及び大津市文化財保護条例(昭和52年条例第2号)の規定により指定された文化財の保存に係る行為
(23) 郵便差出箱又は信書便差出箱の設置又は管理に係る行為
(24) 国又は地方公共団体が行う通信業務の用に供する線路又は空中線系及びこれらに係る電気通信設備を収容するための施設の設置又は管理に係る行為
(25) 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)による電気通信事業の用に供する線路又は空中線系及びこれらに係る電気通信設備を収容するための施設の設置又は管理に係る行為
(26) 公衆電話施設の設置又は管理に係る行為
(27) 放送法(昭和25年法律第132号)第2条第2号に規定する基幹放送の用に供する線路又は空中線系及びこれらに係る電気通信設備を収容するための施設の設置又は管理に係る行為
(28) 有線テレビジョン放送(有線電気通信設備を用いて行われる放送法第2条第18号に規定するテレビジョン放送をいう。)の用に供する線路又は空中線系(その支持物を含む。)の設置又は管理に係る行為
(29) 電気事業法(昭和39年法律第170号)による電気事業の用に供する電気工作物の設置(発電の用に供する電気工作物の設置を除く。)又は管理に係る行為
(30) ガス事業法(昭和29年法律第51号)によるガス工作物の設置(液化石油ガス以外の原料を主原料とするガスの製造の用に供するガス工作物(圧縮天然ガスに係るものを除く。)の設置を除く。)又は管理に係る行為
(31) 水道法(昭和32年法律第177号)による水道事業若しくは水道用水供給事業若しくは工業用水道事業法(昭和33年法律第84号)による工業用水道事業の用に供する施設又は下水道法(昭和33年法律第79号)による下水道の排水管若しくはこれを補完するため設けられるポンプ施設の設置又は管理に係る行為
(32) 近畿圏の保全区域の整備に関する法律(昭和42年法律第103号)第4条の保全区域整備計画に基づく事業の執行に係る行為
(平14条例23・平15条例24・平15条例37・平16条例36・平17条例28・平23条例43・令4条例4・令5条例44・一部改正)
(1) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した者
(2) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した工事の注文主若しくは請負人(請負工事の下請人を含む。)又は請負契約によらないで自らその工事をしている者若しくはした者
(3) 第4条第3項の規定により許可に付した条件に違反している者
(4) 詐欺その他不正な手段により、第4条第1項の規定による許可を受けた者
2 市長は、前項の規定により処分をし、又は必要な措置を執ることを命じようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴き、かつ、当該処分又は措置を命ずべき者について聴聞を行わなければならない。
(令4条例4・一部改正)
(経費の補助等)
第9条 本市は、保存地区内における建造物及び環境物件の管理、修理、修景又は復旧について、自ら保存のため適当な措置を行い、又は当該建造物及び環境物件の所有者等に対しその経費の一部を補助することができる。
(審議会の設置等)
第10条 市長の附属機関として、本市に大津市伝統的建造物群保存審議会を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じ、伝統的建造物群の保存等に関する重要事項について調査審議し、及びこれらの事項について市長に建議する。
3 審議会の委員の定数は20人以内とし、学識経験者、関係行政機関の職員、関係地域を代表する者等のうちから、市長が委嘱する。
4 審議会の委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 必要があるときは、審議会に関係者の出席を求め、説明又は意見を聴くことができる。
(令4条例4・一部改正)
(罰則)
第11条 次の各号のいずれかに該当する者は、50,000円以下の罰金に処する。
(1) 第4条第1項の規定に違反した者
(2) 第8条第1項の規定に基づく命令に違反した者
(委任)
第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(令4条例4・一部改正)
付則
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成14年3月25日条例第23号)
この条例は、公布の日から施行する。ただし、第7条第16号の改正規定は、平成14年4月1日から施行する。
附則(平成15年7月14日条例第24号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成15年9月19日条例第37号)
この条例は、平成15年10月1日から施行する。
附則(平成16年3月23日条例第36号)
この条例は、電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律(平成15年法律第125号)第2条の規定の施行の日から施行する。ただし、第7条第31号の改正規定は、公布の日から施行する。
附則(平成17年3月23日条例第28号)
この条例は、平成17年4月1日から施行する。
附則(平成23年9月27日条例第43号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和4年3月25日条例第4号)抄
(施行期日)
第1条 この条例は、令和4年4月1日から施行する。
(大津市伝統的建造物群保存地区保存条例等の一部改正に伴う経過措置)
第10条 この条例の施行の際附則第6条から第8条までの規定による改正前のそれぞれの条例(以下この条において「旧条例」という。)の規定により教育委員会がした許可その他の行為で現にその効力を有するもの又は施行日前に旧条例の規定により教育委員会に対してなされた許可の申請その他の行為は、施行日以後においては、附則第6条から第8条までの規定による改正後のそれぞれの条例の相当規定により市長がした許可その他の行為又は市長に対してなされた許可の申請その他の行為とみなす。
第11条 施行日前に附則第6条の規定による改正前の大津市伝統的建造物群保存地区保存条例(以下「旧伝統的建造物群保存地区保存条例」という。)第10条第1項の規定により置かれた大津市伝統的建造物群保存審議会及びその委員、附則第7条の規定による改正前の大津市歴史博物館条例第9条第1項の規定により置かれた大津市歴史博物館協議会及びその委員並びに附則第9条の規定による改正前の大津市附属機関設置条例の規定により置かれた大津市歴史博物館収蔵品収集審査会及びその委員は、施行日をもって、それぞれ附則第6条の規定による改正後の大津市伝統的建造物群保存地区保存条例第10条第1項の規定により置かれる大津市伝統的建造物群保存審議会及びその委員、附則第7条の規定による改正後の大津市歴史博物館条例第9条第1項の規定により置かれる大津市歴史博物館協議会及びその委員並びに附則第9条の規定による改正後の大津市附属機関設置条例の規定により置かれる大津市歴史博物館収蔵品収集審査会及びその委員となり、同一性をもって存続するものとする。
(罰則に関する経過措置)
第12条 この条例の施行前にした旧伝統的建造物群保存地区保存条例の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(委任)
第13条 この附則に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な経過措置は、規則で定める。
附則(令和5年9月28日条例第44号)
この条例は、公布の日又は漁港漁場整備法及び水産業協同組合法の一部を改正する法律(令和5年法律第34号)の施行の日のいずれか遅い日から施行する。