○岡山県環境基本条例

平成八年十月一日

岡山県条例第三十号

岡山県環境基本条例をここに公布する。

岡山県環境基本条例

目次

第一章 総則(第一条―第八条)

第二章 環境の保全に関する基本的施策

第一節 施策の策定等に係る指針(第九条)

第二節 岡山県環境基本計画(第十条)

第三節 県が講ずる環境の保全のための施策等(第十一条―第二十二条)

第四節 地球環境保全及び国際協力の推進(第二十三条・第二十四条)

第三章 岡山県環境審議会への提言(第二十五条―第二十七条)

第四章 雑則(第二十八条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、本県の恵まれた環境が県民共有の財産であることにかんがみ、環境の保全について、基本理念を定め、並びに県、市町村、事業者及び県民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項等を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の県民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

2 この条例において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。第九条第一号及び第十三条第四項において同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第三条 環境の保全は、県民の健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受する権利を実現し、健全で恵み豊かな環境を将来の世代へ継承する責任を果たすことを旨として、行われなければならない。

2 環境の保全は、社会経済活動その他の活動による環境への負荷をできる限り低減することその他の環境の保全に関する行動により、人と自然との共生が確保されるとともに持続的に発展することができる社会が構築されることを旨として、すべてのものの参加の下に行われなければならない。

3 地球環境保全(人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全をいう。第二十三条において同じ。)は、人類共通の課題であるとともに県民の健康で文化的な生活を将来にわたって確保する上での課題であることにかんがみ、積極的に推進されなければならない。

(県の責務)

第四条 県は、前条に定める環境の保全についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

2 県は、基本理念にのっとり、市町村が実施する環境の保全に関する施策について支援又は協力するように努めなければならない。

(市町村の責務)

第五条 市町村は、基本理念にのっとり、環境の保全に関し、当該市町村の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

2 市町村は、基本理念にのっとり、県が実施する環境の保全に関する施策に協力するように努めなければならない。

(事業者の責務)

第六条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。

2 事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な措置を講ずる責務を有する。

3 前二項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。

4 前三項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全に自ら努め、その保有する環境への負荷に関する情報を広く提供するとともに、県又は市町村が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

(県民の責務)

第七条 県民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、県民は、基本理念にのっとり、環境の保全に自ら努めるとともに、県又は市町村が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

(岡山県環境白書)

第八条 知事は、毎年、環境の状況及び環境の保全に関して講じた施策等を明らかにした岡山県環境白書を作成し、公表しなければならない。

第二章 環境の保全に関する基本的施策

第一節 施策の策定等に係る指針

第九条 この章に定める環境の保全に関する施策の策定及び実施は、基本理念にのっとり、次に掲げる事項の確保を旨として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ総合的かつ計画的に行われなければならない。

 人の健康が保護され、及び生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。

 生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。

 人と自然との豊かな触れ合いが保たれること。

第二節 岡山県環境基本計画

第十条 知事は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、岡山県環境基本計画(以下この条において「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱

 前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 知事は、環境基本計画を定めるに当たっては、県民、事業者及び市町村の意見を反映することができるように、必要な措置を講ずるものとする。

4 知事は、環境基本計画を定めるに当たっては、その基本的な事項について、あらかじめ、環境基本法(平成五年法律第九十一号)第四十三条第一項の規定による岡山県環境審議会(第二十五条及び第二十七条において「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

5 知事は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

6 前三項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(平二〇条例一・一部改正)

第三節 県が講ずる環境の保全のための施策等

(施策の策定等に当たっての配慮)

第十一条 県は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境への負荷の低減に資する措置その他の環境の保全のために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

(環境影響評価の推進)

第十二条 県は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進するため、環境影響評価に関する手続等の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。

(規制の措置)

第十三条 県は、公害を防止するため、公害の原因となる行為に関し、必要な規制の措置を講ずるものとする。

2 県は、自然環境を保全することが特に必要な区域における土地の形状の変更、工作物の新設、木竹の伐採その他の自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、その支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるものとする。

3 県は、採取、損傷その他の行為であって、保護することが必要な自然物の適正な保護に支障を及ぼすおそれがあるものに関し、その支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるように努めるものとする。

4 前三項に定めるもののほか、県は、人の健康又は生活環境に係る環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるように努めるものとする。

(誘導的措置)

第十四条 県は、環境への負荷を生じさせる活動又は生じさせる原因となる活動(以下この条において「負荷活動」という。)を行う者がその負荷活動に係る環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとることとなるよう誘導するため、必要かつ適正な経済的な助成その他の措置を講ずるように努めるものとする。

2 県は、負荷活動を行う者がその負荷活動に係る環境への負荷を低減させることとなるよう誘導するため、その負荷活動を行う者に適正かつ公平な経済的な負担を課する措置について調査及び研究を行い、その結果、その措置が必要である場合には、そのために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

(環境の保全に関する施設の整備その他の事業の推進)

第十五条 県は、環境の保全に関する公共施設及び公共的施設の整備を図るために必要な措置を講ずるものとする。

2 前項に定めるもののほか、県は、河川、湖沼等の水質の浄化その他の環境の保全に関する事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(快適な環境の創造)

第十六条 県は、快適な環境を創造するため、優れた自然景観の形成その他の必要な措置を講ずるものとする。

(資源の循環的利用等の推進)

第十七条 県は、環境への負荷の低減を図るため、市町村、事業者及び県民による資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用及び廃棄物の減量が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

2 県は、環境への負荷の低減を図るため、県の施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たっては、資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用及び廃棄物の減量に努めるものとする。

(環境の保全に関する教育、学習等)

第十八条 県は、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに環境の保全に関する広報活動の充実により、事業者及び県民が環境の保全についての理解を深めるとともにこれらの者の環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、必要な措置を講ずるものとする。

(民間団体等の自発的な活動を促進するための措置)

第十九条 県は、事業者、県民又はこれらの者の組織する民間の団体(次条において「民間団体等」という。)が自発的に行う環境の保全に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

(情報の提供)

第二十条 県は、第十八条の環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに前条の民間団体等が自発的に行う環境の保全に関する活動の促進に資するため、個人及び法人その他の団体の権利利益の保護に配慮しつつ環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。

(調査及び研究の実施)

第二十一条 県は、環境の保全に関する施策を策定し、及び適正に実施するため、公害の防止、自然環境の保全その他の環境の保全に関する事項について、必要な調査及び研究を行うものとする。

(監視等の体制の整備)

第二十二条 県は、環境の状況を把握し、及び環境の保全に関する施策を適正に実施するために必要な監視、巡視、測定、試験及び検査の体制の整備に努めるものとする。

第四節 地球環境保全及び国際協力の推進

(地球環境保全の推進)

第二十三条 県は、すべての日常生活及び事業活動において地球環境保全が積極的に推進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

2 前項に定めるもののほか、県は、地球環境保全に資する施策を推進するものとする。

(国際協力の推進)

第二十四条 県は、環境の保全に関する技術の移転、研修の実施、情報の提供等により、国際協力の推進に努めるものとする。

第三章 岡山県環境審議会への提言

(平二〇条例一・改称)

(環境の保全に関する提言)

第二十五条 県民参加の下に環境の保全を図るため、次に掲げるものは、審議会に対して、知事その他の県の執行機関及び公営企業管理者(以下この条及び第二十七条において「知事等」という。)の施策について、環境の保全に関する提言を行うことができる。

 県内に住所を有する者

 県内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体

 県内に存する事務所又は事業所に勤務する者

 県内に存する学校に在学する者

 前各号に掲げるもののほか、知事等の施策に利害関係を有するもの

(平二〇条例一・一部改正)

(適用除外)

第二十六条 次に掲げる事項に関する提言については、前条の規定は、適用しない。

 判決、裁決等により確定した権利関係に関する事項

 裁判所で係争中の事項又は行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)に基づき不服申立てを行っている事項

 公害紛争処理法(昭和四十五年法律第百八号)に基づきあっせん、調停、仲裁又は裁定の申請を行っている事項

 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第七十五条第一項の規定により監査の請求を行っている事項又は同法第二百四十二条第一項の規定により住民監査請求を行っている事項

 地方自治法第百二十四条の規定により岡山県議会に請願を行っている事項

 その他法令(告示を含む。)の規定により意見の申立て等の手続を行っている事項

(平二八条例一・一部改正)

(提言及び調査審議の手続)

第二十七条 第二十五条の規定による提言は、その趣旨及び理由その他規則で定める事項を記載した書面により行わなければならない。

2 審議会は、提言の内容が環境の保全に関するものと認められないこと等により提言についての調査審議を行わないこととしたときは、提言を行ったもの(以下この条において「提言者」という。)に対し、速やかに、書面によりその旨を通知しなければならない。

3 前項の通知には、理由を付さなければならない。

4 審議会は、提言についての調査審議を行うこととしたときは、その旨を知事等に通知しなければならない。

5 審議会は、調査審議のため必要があると認めるときは、知事等若しくは提言者に対し説明若しくは必要な資料の提出を求め、又は実地調査を行うことができる。

6 審議会は、調査審議の結果、必要があると認めるときは、知事等に対し、施策の是正その他の措置を講ずべき旨の意見書を提出することができる。

7 知事等は、前項の意見書の提出を受けたときは、これを尊重しなければならない。

8 審議会は、提言者に対し、速やかに、書面により調査審議の結果を通知しなければならない。

9 審議会は、毎年、提言及び調査審議の状況を公表しなければならない。

(平二〇条例一・一部改正)

第四章 雑則

(規則への委任)

第二十八条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成九年四月一日から施行する。

(関係条例の一部改正)

2 岡山県附属機関条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(平成二〇年条例第一号)

(施行期日)

1 この条例は、平成二十年四月一日から施行する。

(平成二八年条例第一号)

(施行期日)

1 この条例は、平成二十八年四月一日から施行する。

(経過措置)

2 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの条例の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの条例の施行前にされた請求に係る行政庁の不作為に係るものについては、なお従前の例による。

岡山県環境基本条例

平成8年10月1日 条例第30号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第7編 境/第1章
沿革情報
平成8年10月1日 条例第30号
平成20年3月18日 条例第1号
平成28年3月22日 条例第1号