○岡山県男女共同参画の促進に関する条例
平成十三年六月二十六日
岡山県条例第五十一号
岡山県男女共同参画の促進に関する条例をここに公布する。
岡山県男女共同参画の促進に関する条例
目次
前文
第一章 総則(第一条―第九条)
第二章 男女共同参画の促進に関する基本的施策(第十条―第二十一条)
第三章 男女共同参画を阻害する行為の禁止等(第二十二条・第二十三条)
第四章 岡山県男女共同参画審議会(第二十四条)
附則
すべての人が性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮するとともに、互いにその人権を尊重しつつ、喜びも責任も共に分かち合う男女共同参画社会を実現することは、私たちの願いであり、これまでも国際社会や国内の動向を踏まえたさまざまな取組が進められてきた。しかしながら、性別による固定的、差別的な役割分担意識やそれに基づく社会慣行等男女共同参画社会の実現を妨げる要因は、依然として根強く残っている。
こうした状況の中、私たちが少子高齢化、国際化及び高度情報化の進展をはじめとする社会の急速な変化に的確に対応しつつ、創造と共生の理念の下に、真に調和のとれた豊かな地域社会を築き、今後も発展を続けていくためには、男女が共に対等な立場であらゆる分野に参画し、一人一人の価値観に基づいた多様な生き方を選択することのできる男女共同参画社会を新たな地域文化をはぐくむ社会として創造するとともに、他の地域に発信し、互いに歩んでいくことが不可欠である。
このような認識から、私たちは、男女共同参画社会の実現を目指すことを決意し、県、県民、事業者及び市町村が一体となって男女共同参画を促進する取組を総合的かつ計画的に推進するため、この条例を制定する。
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、男女の人権が尊重され、かつ、男女が性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮し、一人一人の価値観に基づいた多様な生き方を選択することのできる社会を実現することが極めて重要であることにかんがみ、男女共同参画の促進に関し、基本理念を定め、県、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、県の施策の基本的事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に促進し、もって男女共同参画社会を実現することを目的とする。
一 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受し、かつ、共に責任を担うことをいう。
二 積極的改善措置 社会のあらゆる分野における活動に参画する機会についての男女間の格差を改善するため必要な範囲において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(基本理念)
第三条 男女共同参画の促進は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が直接的であるか間接的であるかを問わず性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されること、性別に起因した暴力が根絶されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。
2 男女共同参画の促進に当たっては、社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことにより、男女共同参画の促進を阻害する要因となるおそれがあることにかんがみ、社会における制度又は慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮されなければならない。
3 男女共同参画の促進は、男女が、県における政策又は民間の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されることを旨として、行われなければならない。
4 男女共同参画の促進は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動及び社会生活における活動に対等に参画することができるようにすることを旨として、行われなければならない。
5 男女共同参画の促進は、男女が互いの性を理解し合い、性と生殖に関する健康と権利が尊重されることを旨として、行われなければならない。
6 男女共同参画の促進は、男女が対等な立場で個人として能力を発揮することにより、活力あふれる新たな地域文化をはぐくむ社会を創造することを旨として、行われなければならない。
7 男女共同参画を促進する取組が国際社会における取組と密接な関係を有していることにかんがみ、男女共同参画の促進は、国際的な交流と協力の下に行われなければならない。
(県の責務)
第四条 県は、前条に定める男女共同参画の促進についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の促進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
2 県は、県民、事業者、国及び市町村と連携し、及び協力して前項の施策を実施しなければならない。
(県民の責務)
第五条 県民は、基本理念にのっとり、性別による差別的取扱いを排除するとともに、固定的な役割分担意識に基づく制度及び慣行を改善するよう努めなければならない。
2 県民は、前項に規定するもののほか、職域、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画の促進に寄与するよう努めなければならない。
3 県民は、県が実施する男女共同参画の促進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第六条 事業者は、基本理念にのっとり、男女が職域における活動に対等に参画する機会を確保すること、男女が職域における活動と家庭における活動その他の活動とを両立して行うことができる職域環境を整備すること等により、その事業活動において男女が共同して参画することができる体制を整備するよう努めなければならない。
2 事業者は、前項に規定するもののほか、その事業活動において男女共同参画の促進に寄与するよう努めなければならない。
3 事業者は、県が実施する男女共同参画の促進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(推進体制の整備等)
第七条 県は、県民、事業者、国及び市町村と連携しながら、男女共同参画の促進に関する施策を積極的に推進するための体制を整備するものとする。
2 県は、男女共同参画の促進に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(積極的改善措置への協力等)
第八条 県は、男女共同参画を促進する上で積極的改善措置が重要であることにかんがみ、県民、事業者及び市町村が積極的改善措置を講ずるために必要な情報の提供、相談、助言その他の協力を行うものとする。
2 県は、法令等により設けられた委員、委員会、審査会、審議会及びこれらに準ずるものの構成員を任命し、又は委嘱する場合は、積極的改善措置を講ずることにより男女の構成員数の均衡を図るよう努めるものとする。
(年次報告)
第九条 知事は、男女共同参画の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進に資するため、その実施状況等について年次報告書を作成し、これを公表するものとする。
第二章 男女共同参画の促進に関する基本的施策
(基本計画)
第十条 県は、男女共同参画の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、男女共同参画の促進に関する基本的な計画(以下この条及び附則第二項において「基本計画」という。)を策定するものとする。
2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画の促進に関する施策の大綱
二 前号に掲げるもののほか、男女共同参画の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 知事は、基本計画を策定するに当たっては、県民及び事業者の意見を反映することができるよう適切な措置を講ずるものとする。
4 知事は、基本計画を策定するに当たっては、あらかじめ岡山県男女共同参画審議会及び市町村の意見を聴くものとする。
5 知事は、基本計画を策定したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
6 前三項の規定は、基本計画の変更について準用する。
(市町村との協力)
第十一条 県は、市町村に対し、男女共同参画の促進に関する施策を策定し、及び実施すること並びに県が実施する男女共同参画の促進に関する施策に協力することを求めることができる。
2 県は、市町村が実施する男女共同参画の促進に関する施策の策定及び実施について、必要な協力を行うものとする。
(施策の策定等に当たっての配慮)
第十二条 県は、男女共同参画の促進に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、男女共同参画の促進に配慮するものとする。
(調査及び研究)
第十三条 県は、男女共同参画の促進に関する施策を策定し、及び実施するため、必要な調査及び研究を行うものとする。
(普及啓発等)
第十四条 県は、県民及び事業者が男女共同参画に対する関心と理解を深めるよう普及啓発及び学習機会の提供について必要な措置を講ずるものとする。
2 県は、前項の普及啓発及び学習機会の提供を行うに当たっては、情報媒体により公衆に表示される情報を個人が主体的に読み解いていくために必要な能力に関し、事業者の理解と協力の下に、県民の当該能力の向上について特に配慮するよう努めるものとする。
(教育の推進)
第十五条 県は、県民の男女共同参画に対する関心と理解が深まるよう男女共同参画に関する教育の推進に努めるものとする。
(県民等の活動に対する支援)
第十六条 県は、県民又は事業者が行う男女共同参画の促進に関する活動を支援するため、情報の提供、人材の育成その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(苦情の処理)
第十七条 県は、県が実施する男女共同参画の促進に関する施策又は男女共同参画の促進に影響を及ぼすと認められる施策についての県民又は事業者からの苦情の適切な処理のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 知事は、前項の苦情のうち特に必要があると認めるものについては、岡山県男女共同参画審議会の意見を聴くものとする。
(相談への対応)
第十八条 県は、性別による差別的取扱いその他の男女共同参画を妨げる行為についての県民又は事業者からの相談に適切に対応するよう努めるものとする。
(報告の徴収、勧告等)
第十九条 知事は、男女共同参画の促進のために必要があると認めるときは、事業者に対し、男女の就業状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
2 知事は、前項の報告により把握した男女共同参画の状況を公表することができる。
3 知事は、第一項の報告の内容に基づき必要があると認めるときは、事業者に対し、適切な措置を講ずるよう勧告することができる。
(事業者等の表彰)
第二十条 県は、男女共同参画を促進するため、男女共同参画の促進に関する活動を積極的に行う事業者等の表彰を行うものとする。
(男女共同参画推進月間)
第二十一条 県民及び事業者の間に広く男女共同参画に対する関心と理解を深めるとともに、県民及び事業者が男女共同参画の促進に関する活動を積極的に行う意欲を高めるため、男女共同参画推進月間を設ける。
2 男女共同参画推進月間は、十一月とする。
3 県は、男女共同参画推進月間の趣旨にふさわしい事業を実施するものとする。
第三章 男女共同参画を阻害する行為の禁止等
(阻害行為の禁止等)
第二十二条 何人も、男女共同参画を阻害する次に掲げる行為を行ってはならない。
一 社会のあらゆる分野における性的な言動により当該言動を受けた個人の生活の環境を害する行為又は性的な言動を受けた個人の対応により当該個人に不利益を与える行為
二 家庭内等における配偶者その他の親族関係にある者、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者及び生活の本拠を共にする交際(婚姻関係における共同生活に類する共同生活を営んでいないものを除く。)をする関係にある者(過去においてこれらの関係にあった者を含む。)に対する身体的な苦痛又は著しい精神的な苦痛を与える暴力的な行為
2 何人も、社会のあらゆる分野における男女共同参画を阻害する内容を含む規約その他の取決めを定め、又は契約を締結しないようにするとともに、既に定められ、又は締結された当該内容を含む取決め又は契約については、その是正に努めなければならない。
(平二六条例一三・一部改正)
(被害者の保護等)
第二十三条 県は、前条第一項第一号に掲げる行為により生活の環境を害され、又は不利益を受けた旨の申出があった場合において、当該申出者からの相談に応じることその他の必要な措置を講ずるものとする。
2 県は、前条第一項第二号に掲げる行為により被害を受けた者(以下この条において「被害者」という。)に対し、適切な助言、施設への一時的な入所等による保護その他の必要な支援を行うものとする。
二 加害者に対し、当該被害者との面会及び交渉を禁止し、又は制限すること。
第四章 岡山県男女共同参画審議会
第二十四条 男女共同参画に関する重要事項についての調査及び審議並びに男女共同参画の促進に関する施策又は男女共同参画の促進に影響を及ぼすと認められる施策についての建議に関する事務を行わせるため、岡山県男女共同参画審議会(以下この条及び附則第一項において「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、委員十五人以内で組織する。
3 男女のいずれか一方の委員の数は、委員の総数の十分の四未満とならないものとする。
4 委員は、次に掲げる者のうちから知事が任命する。この場合において、第二号に掲げる者については、五人以内とする。
一 学識経験を有する者
二 公募に応じた者
5 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(経過措置)
2 男女共同参画社会基本法(平成十一年法律第七十八号)第十四条第一項の規定により定められた男女共同参画計画は、第十条の規定により策定された基本計画とみなす。
(関係条例の一部改正)
3 岡山県附属機関条例(昭和二十七年岡山県条例第九十二号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(平成二六年条例第一三号)
この条例は、公布の日から施行する。