○岡山県危険な薬物から県民の命とくらしを守る条例

平成二十七年三月二十日

岡山県条例第十七号

岡山県危険な薬物から県民の命とくらしを守る条例をここに公布する。

岡山県危険な薬物から県民の命とくらしを守る条例

目次

第一章 総則(第一条―第六条)

第二章 薬物の濫用の規制(第七条―第十八条)

第三章 雑則(第十九条)

第四章 罰則(第二十条―第二十六条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、薬物の濫用の防止に関し、県の責務及び県民等の役割並びに県が実施する基本的な施策を定めることにより、危険な薬物の濫用から県民の生命及び安全を守り、県民が安心して暮らすことができる健全な社会の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において「薬物」とは、次に掲げる物をいう。

 覚醒剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)第二条第一項に規定する覚醒剤及び同条第五項に規定する覚醒剤原料

 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第二条第一項第一号に規定する麻薬、同項第四号に規定する麻薬原料植物及び同項第六号に規定する向精神薬並びに同条第二項に規定する政令で定めるもの

 あへん法(昭和二十九年法律第七十一号)第三条第一号に規定するけし、同条第二号に規定するあへん及び同条第三号に規定するけしがら

 毒物及び劇物取締法施行令(昭和三十年政令第二百六十一号)第三十二条の二に規定するトルエン並びに酢酸エチル、トルエン又はメタノールを含有するシンナー(塗料の粘度を減少させるために使用される有機溶剤をいう。)、接着剤、塗料及び閉塞用又はシーリング用の充填料

 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第十五項に規定する指定薬物

 前各号に掲げるもののほか、これらと同等に、興奮、幻覚、陶酔、意識障害その他これらに類する作用(以下「興奮等の作用」という。)を人の精神に及ぼす物で、濫用することにより人の健康に被害が生じ、又は生じるおそれがあるもの

(令二条例五〇・令六条例八六・一部改正)

(県の責務)

第三条 県は、薬物の濫用の防止に関する施策を総合的かつ計画的に推進する責務を有する。

2 県は、前項の施策の推進に当たっては、国及び他の地方公共団体のほか、薬物の濫用の防止を目的とする団体との連携及び協力を図るものとする。

3 県は、第一項の施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、必要な体制を整備するものとする。

4 県は、薬物の濫用から県民の生命及び安全を守るため、薬物の危険性に関する情報について収集、整理、分析及び評価を行い、その結果を第一項の施策に反映させるものとする。

5 県は、薬物の濫用から県民の生命及び安全を守るため、必要な情報を県民に提供するものとする。

(県民の役割)

第四条 県民は、薬物の危険性に関する知識及び理解を深め、薬物の濫用を防止するよう努めなければならない。

2 県民は、薬物の濫用の防止に関する県の施策に協力するよう努めなければならない。

(不動産貸付者の役割)

第五条 県内に所在する不動産を貸し付けようとする者(以下この条及び次条第一項において「不動産貸付者」という。)は、当該不動産が薬物に関する法令又はこの条例の規定に違反する薬物の製造又は販売(以下この条及び次条第二項において「薬物の違法製造等」という。)の用に供されることとなることを知って当該貸付けに係る契約を締結しないよう努めなければならない。

2 不動産貸付者は、当該貸付けに係る契約の締結に際し、次に掲げる事項を書面で約定するよう努めるものとする。

 当該不動産を薬物の違法製造等の用に供してはならないこと。

 当該不動産を薬物の違法製造等の用に供していることが判明したときは、当該不動産を貸し付けた者は、催告をすることなく当該契約を解除することができること。

3 県内に所在する不動産を貸し付けた者は、当該貸付けに係る契約の相手方が当該不動産を薬物の違法製造等の用に供していることが判明したときは、速やかに当該契約を解除するよう努めるものとする。

(不動産の貸付けの代理等を業とする者の役割)

第六条 不動産の貸付けの代理又は媒介を業とする者は、不動産貸付者に対し、前条の規定の遵守に関し助言を行うよう努めなければならない。

2 不動産の貸付けの代理又は媒介を業とする者は、不動産が薬物の違法製造等の用に供されることとなることを知って代理又は媒介をしないよう努めなければならない。

第二章 薬物の濫用の規制

(知事監視商品の指定)

第七条 知事は、第二条第六号に規定する薬物を含有する疑いがある商品のうち、吸入、吸引、摂取その他の方法(以下「吸入等の方法」という。)により人の身体に使用され、又はそのおそれがあるものに関して、次の各号のいずれかに該当する事実があるときは、当該商品を知事監視商品として指定することができる。

 吸入等の方法により人の身体に使用したことを原因として、興奮等の作用を人の精神に及ぼした、又はその疑いがある事実

 吸入等の方法により人の身体に使用したことを直接又は間接の原因として、自己若しくは他人の生命、身体若しくは財産を害した、又はその疑いがある事実

2 知事は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ岡山県薬事審議会条例(昭和三十六年岡山県条例第二十七号)第一条の岡山県薬事審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴くものとする。

3 第一項の規定による指定は、名称、形状その他の知事監視商品(同項の知事監視商品をいう。以下同じ。)を特定することができる情報、指定の理由その他必要な事項を告示することにより行うものとする。

(令六条例八六・一部改正)

(知事監視商品の指定の失効)

第八条 前条第一項の規定による指定は、知事監視商品に第二条第一号から第五号までに規定する薬物又は第十二条第一項の知事指定薬物に該当する薬物が含有されると認められるに至ったときは、その効力を失うものとする。

2 前条第三項の規定は、前項の規定による指定の失効について準用する。

(令六条例八六・一部改正)

(知事監視商品の指定の解除)

第九条 知事は、知事監視商品に第二条第六号に規定する薬物が含有されていないことが証明されたときその他相当の理由があるときは、その指定を解除することができる。

2 第七条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による指定の解除について準用する。

(令六条例八六・一部改正)

(関係機関との協力等)

第十条 知事は、第七条第一項の規定による指定、前条第一項の規定による指定の解除等について必要があるときは、医療機関(医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条の五第一項に規定する病院及び同条第二項に規定する診療所をいう。次項において同じ。)その他の関係機関に対し、第二条第六号に規定する薬物を含有する疑いがある商品等に関する情報の提供その他必要な協力を求めることができる。

2 医療機関の医師、関係機関の職員等は、次の各号のいずれかに該当する者を発見したときは、当該者が身体に使用した、又はその疑いがある商品の名称、形状その他規則で定める事項を知事に報告するよう努めるものとする。

 第二条第六号に規定する薬物を身体に使用したことを原因として、興奮、幻覚、陶酔、意識障害その他これらに類する症状を呈したと疑われる者

 第二条第六号に規定する薬物を身体に使用したことを直接又は間接の原因として、自己又は他人の生命、身体又は財産を害したと疑われる者

3 知事は、第一項の規定により協力を求めるに当たっては、刑法(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定に留意しなければならない。

(令六条例八六・一部改正)

(誓約書)

第十一条 知事監視商品を県内で所持する者は、第七条第一項の規定による指定後(当該指定後に県内で所持した者にあっては、所持の後)直ちに、次に掲げる事項を記載した書面(以下「誓約書」という。)を知事に提出しなければならない。

 氏名及び住所(法人にあっては、名称及び所在地)

 吸入等の方法により人の身体に使用しない旨(法人にあっては、吸入等の方法により人の身体に使用させない旨)の誓約

 その他規則で定める事項

2 前項の規定により誓約書を提出した者は、同項第二号の誓約を遵守しなければならない。

(知事指定薬物の指定)

第十二条 知事は、第二条第六号に規定する薬物のうち、県内において現に濫用され、又はそのおそれがあると認めるものを知事指定薬物として指定することができる。

2 知事は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴くものとする。ただし、緊急を要し、あらかじめ審議会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。

3 前項ただし書の場合において、知事は、第一項の規定による指定後速やかに、その旨を審議会に報告しなければならない。

4 第一項の規定による指定は、同項の知事指定薬物(以下「知事指定薬物」という。)の名称、指定の理由その他必要な事項を告示することにより行うものとする。

(令六条例八六・一部改正)

(知事指定薬物の指定の失効)

第十三条 前条第一項の規定による指定は、知事指定薬物が第二条第一号から第五号までに規定する薬物に該当するに至り、又は指定されたときは、その効力を失うものとする。

2 前条第四項の規定は、前項の規定による指定の失効について準用する。

(令六条例八六・一部改正)

(禁止行為)

第十四条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第一号から第四号までに掲げる行為については、国又は他の地方公共団体が学術研究又は試験検査の用に供するために行う場合その他の正当な理由により行う場合として規則で定める場合は、この限りでない。

 知事指定薬物(知事指定薬物を含有する物を含む。以下同じ。)を製造し、又は栽培すること。

 知事指定薬物を販売し、授与し、又はこれらの目的で所持すること。

 知事指定薬物を販売又は授与の目的で広告すること。

 知事指定薬物を所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は使用すること(販売又は授与の目的で所持する場合を除く。)

 知事指定薬物をみだりに使用することを知って、その場所を提供し、又はあっせんすること。

(立入調査等)

第十五条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、知事指定薬物又はこれに該当する疑いのある物(以下この条において「知事指定薬物等」という。)を業務上取り扱う場所その他必要な場所に立ち入り、調査させ、関係者に質問させ、又は試験のため必要な最少分量に限り知事指定薬物等を収去させることができる。

2 公安委員会は、この条例の施行に必要な限度において、警察職員に、知事指定薬物等を業務上取り扱う場所その他必要な場所に立ち入り、調査させ、又は関係者に質問させることができる。

3 前二項の規定により立入調査等を行う者は、第一項の職員にあっては規則で、前項の警察職員にあっては公安委員会規則で定めるその身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

4 第一項及び第二項の規定による立入調査等の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(警告)

第十六条 知事は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、警告を発することができる。

 第十一条第一項の規定に違反して誓約書を提出しなかった者

 第十一条第二項の規定に違反して同条第一項第二号の誓約を遵守しなかった者

 第十四条(第一号に係る部分に限る。)の規定に違反して知事指定薬物を製造し、又は栽培した者

 第十四条(第二号に係る部分に限る。)の規定に違反して知事指定薬物を販売し、授与し、又はこれらの目的で所持した者

 第十四条(第三号に係る部分に限る。)の規定に違反して知事指定薬物を販売又は授与の目的で広告した者

 第十四条(第五号に係る部分に限る。)の規定に違反して場所を提供し、又はあっせんした者

2 前項各号のいずれかに該当する者が、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者であるときは、その法人又は人に対しても、同項の警告を発することができる。

(命令)

第十七条 知事は、前条第一項の警告(同項第三号から第五号までに係るものに限る。次項において同じ。)に従わない者に対し、知事指定薬物の製造、栽培、販売、授与若しくは広告の中止又は回収若しくは廃棄その他必要な措置(次項において「中止等の措置」という。)をとることを命ずることができる。

2 知事は、次の各号のいずれかに該当するときは、前条第一項第三号から第五号までのいずれかに該当する者に対し、同項の警告を発することなく、中止等の措置をとることを命ずることができる。

 薬物の濫用から県民の生命又は安全を守るため緊急を要する場合で、前条第一項の警告を発するいとまがないとき。

 前条第一項第三号から第五号までのいずれかに該当する者が、過去に同項の警告を受けたことがあるとき。

(緊急時の勧告)

第十八条 知事は、第二条第六号に規定する薬物の濫用又は流通により県民の健康に重大な被害が生じ、又は生じるおそれがあり、かつ、当該被害を防止するため緊急の必要があると認めるときは、第十二条第一項の規定により当該薬物を知事指定薬物として指定する前に、当該薬物(当該薬物を含有する物を含む。以下同じ。)を製造し、栽培し、販売し、授与し、所持し、販売若しくは授与の目的で広告し、購入し、譲り受け、又は使用する者に対し、その行為を中止し、又は当該薬物の回収若しくは廃棄その他必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

2 知事は、前項の規定により勧告した場合で、必要と認めるときは、県民に当該勧告に係る薬物に関する情報を提供するものとする。

3 知事は、第一項の規定により勧告したときは、速やかに、その旨を審議会に報告しなければならない。

(令六条例八六・一部改正)

第三章 雑則

(規則への委任)

第十九条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第四章 罰則

第二十条 第十七条の規定による命令(第十六条第一項第三号又は第四号に掲げる者に係るものに限る。)に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

(令七条例一・一部改正)

第二十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

 第十四条(第一号又は第二号に係る部分に限る。)の規定に違反した者

 第十七条の規定による命令(第十六条第一項第五号に掲げる者に係るものに限る。)に違反した者

(令七条例一・一部改正)

第二十二条 第十四条(第四号に係る部分に限る。)の規定に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。

第二十三条 第十五条第一項若しくは第二項の規定による立入調査若しくは同条第一項の規定による収去を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又はこれらの規定による質問に対して陳述せず、若しくは虚偽の陳述をした者は、二十万円以下の罰金に処する。

第二十四条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第二十条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

第二十五条 第十六条第一項第一号又は第二号の規定による警告に従わない者は、五万円以下の過料に処する。

第二十六条 第二十条から第二十四条までの規定は、第十三条第一項の規定による指定の失効前にした行為についても適用する。

2 前条の規定は、第八条第一項の規定による指定の失効前にした行為についても適用する。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第十一条第十四条から第十七条まで及び第四章の規定は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。

(岡山県薬事審議会条例の一部改正)

2 岡山県薬事審議会条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(令和二年条例第五〇号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和六年条例第八六号)

(施行期日)

1 この条例は、大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律(令和五年法律第八十四号。以下「改正法」という。)の施行の日又はこの条例の公布の日のいずれか遅い日から施行する。

(施行の日=令和六年一二月一二日)

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○刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例(令和七年条例第一号)抄

(罰則の適用等に関する経過措置)

第十条 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

2 この条例の施行後にした行為に対して、他の条例の規定によりなお従前の例によることとされ、なお効力を有することとされ又は改正前若しくは廃止前の条例の規定の例によることとされる罰則を適用する場合において、当該罰則に定める刑に刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号。以下「刑法等一部改正法」という。)第二条の規定による改正前の刑法(明治四十年法律第四十五号。以下この項において「旧刑法」という。)第十二条に規定する懲役(以下「懲役」という。)(有期のものに限る。以下この項において同じ。)、旧刑法第十三条に規定する禁錮(以下「禁錮」という。)(有期のものに限る。以下この項において同じ。)又は旧刑法第十六条に規定する拘留(以下「旧拘留」という。)が含まれるときは、当該刑のうち懲役又は禁錮はそれぞれその刑と長期及び短期を同じくする有期拘禁刑と、旧拘留は長期及び短期を同じくする拘留とする。

(人の資格に関する経過措置)

第十一条 拘禁刑又は拘留に処せられた者に係る他の条例の規定によりなお従前の例によることとされ、なお効力を有することとされ又は改正前若しくは廃止前の条例の規定の例によることとされる人の資格に関する法令の規定の適用については、無期拘禁刑に処せられた者は無期禁錮に処せられた者と、有期拘禁刑に処せられた者は刑期を同じくする有期禁錮に処せられた者と、拘留に処せられた者は刑期を同じくする旧拘留に処せられた者とみなす。

(令和七年条例第一号)

この条例は、令和七年六月一日から施行する。

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岡山県危険な薬物から県民の命とくらしを守る条例

平成27年3月20日 条例第17号

(令和7年6月1日施行)

体系情報
第10編 生/第4章
沿革情報
平成27年3月20日 条例第17号
令和2年7月7日 条例第50号
令和6年7月5日 条例第86号
令和7年3月21日 条例第1号