○国立大学法人鹿児島大学ハラスメント等防止に関する規則

平成16年4月1日

規則第62号

(趣旨)

第1条 この規則は、国立大学法人鹿児島大学(以下「本学」という。)の職員及び学生等が個人として尊重され、快適な環境のもとでの就業又は修学を保障するため、ハラスメント及び性暴力等(以下「ハラスメント等」という。)の防止及び排除のための措置並びにハラスメント等に起因する問題が生じた場合に迅速かつ適切に対応するための措置に関し、必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規則において、「ハラスメント」とは、次の各号に掲げるハラスメントの総称をいい、その用語の定義は、当該各号に定めるところによる。なお、第1号に規定する「不適切な言動」には、性的指向又は性自認に関する偏見に基づく言動も含まれるものとする。

(1) セクシュアル・ハラスメント

 職員が他の職員、学生等又は関係者に対して行う性的な性質の不適切な言動

 学生等が職員、他の学生等又は関係者に対して行う性的な性質の不適切な言動

 関係者が職員又は学生等に対して行う性的な性質の不適切な言動

(2) アカデミック・ハラスメント

教員がその就業上の地位又は権限を不当に利用して他の教員又は学生等に対して行う研究若しくは教育上又は修学上の不適切な言動

(3) パワー・ハラスメント

 職員が地位、権限又は職務上の知識、経験等の優位性を不当に利用して他の職員、学生等又は関係者に対して行う不適切な言動

 学生等が地位、権限又は専門的知識等の優位性を不当に利用して職員、他の学生等又は関係者に対して行う不適切な言動

 関係者が地位、権限又は専門的知識等の優位性を不当に利用して職員又は学生等に対して行う不適切な言動

(4) マタニティー(パタニティー)・ハラスメント

 職員が他の職員、学生等又は関係者に対して行う妊娠、出産、育児に関する制度等の利用を阻害する言動及び当該制度等の利用による嫌がらせ並びに妊娠、出産等に係る嫌がらせ等の不適切な言動

 学生等が職員、他の学生等又は関係者に対して行う妊娠、出産、育児に関する制度等の利用を阻害する言動及び当該制度等の利用による嫌がらせ並びに妊娠、出産等に係る嫌がらせ等の不適切な言動

(5) ケア・ハラスメント

 職員が他の職員、学生等又は関係者に対して行う介護に関する制度等の利用を阻害する言動及び当該制度等の利用による嫌がらせ等の不適切な言動

 学生等が職員、他の学生等又は関係者に対して行う介護に関する制度等の利用を阻害する言動及び当該制度等の利用による嫌がらせ等の不適切な言動

(6) その他のハラスメント

職員、学生等又は関係者による前各号に類する不適切な言動

2 この規則において、「性暴力等」とは、次の各号に掲げる行為をいう。

(1) 職員、学生等又は関係者が理由及び相手との関係性を問わず、同意のない性的な行為を強要する行為をいい、これには前項第1号を含むものとする。

(2) 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(令和3年法律第57号)第2条第3項に定める児童生徒性暴力等に該当する行為

3 この規則において、ハラスメント等に起因する問題とは、次に掲げることをいう。

(1) ハラスメント等のため、職員の就業上及び学生等の修学上の環境が害されること。

(2) ハラスメント等への対応に起因して、職員の就業上及び学生等の修学上で不利益を受けること、精神的・身体的自由を侵害されること。

4 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 「学部等」とは、各学部、附属病院、各研究科、各学域、各学系、機構又は機構の各センター、ヒトレトロウイルス学共同研究センター、各学内共同教育研究施設及び事務局をいう。

(2) 「学部等の長」とは、前号に規定する学部等の長(事務局長を置かない場合の事務局にあっては理事(総務担当))をいう。

(3) 「職員」とは、本学に勤務する常勤及び非常勤の職員並びに派遣労働者をいう。

(4) 「学生等」とは、幼児、児童、生徒、学生等本学において修学する者をいう。

(5) 「関係者」とは、学生等の保護者又は保証人及び本学と関係のある業者をいう。

(6) 「加害者」とは、第1項各号及び第2項各号に掲げる行為を行った者(前号に規定する者を除く。)をいう。

(学長の責務)

第3条 学長は、本学におけるハラスメント等の防止について統括し、ハラスメント等又はハラスメント等に起因する問題が生じた場合には、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。

2 学長は、前項の責務を遂行するにあたり、必要に応じて学部等の長及び第8条に規定する防止委員会に指示を与えるものとする。

(学部等の長の責務)

第4条 学部等の長は、当該学部等の職員及び学生等に対し、この規則の周知徹底を図るとともにハラスメント等の防止及び排除のために、常に啓発・指導を行わなければならない。

2 学部等の長は、前条第2項に基づく指示があった場合には、迅速かつ適切にこれに対処しなければならない。

3 学部等の長は、第11条に定めるハラスメント等相談員から苦情相談の報告があった場合は、相談者の意向を確認のうえ、その問題を解決するよう努めなければならない。

4 前項の場合において、学部等の長は、当該学部等での解決が困難であると判断した場合は、相談者の意向を確認のうえ、第10条に定める全学の相談窓口に対処要請を行うことができる。

(監督者の責務)

第5条 職員を監督する地位にある者(前条に規定する学部等の長を除く。)は、次に掲げる事項を行うことにより、当該学部等におけるハラスメント等の防止及び排除に努めなければならない。

(1) 日常の執務を通じた指導等により、ハラスメント等に関し、職員の注意を喚起するとともに、認識を深めさせること。

(2) 職員の言動に十分な注意を払うことにより、ハラスメント等又はハラスメント等に起因する問題が職場及び教育現場において生じることのないように配慮すること。

(職員及び学生等の責務)

第6条 職員及び学生等は、この規則及び別に定める指針に従うとともに、ハラスメント等の防止について、次に掲げる責務を果たさなければならない。

(1) 個人の尊厳や名誉、プライバシー等の人格、就業環境及び修学環境(以下「就業・修学環境等」という。)を害することとなるハラスメント等を行わないこと。

(2) 就業・修学環境等は、職員の協力の下に形成されるものであることから、本学の構成員として、良好な就業・修学環境等の維持・確立に努めること。

(3) ハラスメント等の被害を防止し、又は深刻なものにしないよう相手に対する明確な意思表示等の行動をためらわないこと。

(職員及び学生等の権利)

第7条 職員及び学生等は、就業及び修学に際して、ハラスメント等又はハラスメント等に起因する問題があった場合には、迅速かつ適切な対処を学長に求める権利を有する。

2 前項に基づく苦情の申立及び相談(以下「苦情相談」という。)は、第11条に定める相談員に対して申立ることによって行うものとする。この場合において、苦情相談の申立は、苦情相談を行おうとする者の依頼を受けた第三者(学外の個人又は関係相談機関を含む。)を通じて行うことができる。

(防止委員会)

第8条 本学に、ハラスメント等の防止に関する具体的な方針等を策定するために国立大学法人鹿児島大学組織規則(平成16年規則第1号)第21条第3項に規定する委員会として、国立大学法人鹿児島大学ハラスメント等防止委員会(以下「防止委員会」という。)を置く。

2 防止委員会に関する必要な事項は、別に定める。

(ハラスメント等調査委員会)

第9条 学長は、次条第2項第3号に基づく要請があった場合には、必要に応じ苦情相談に係る事実調査を行うハラスメント等調査委員会を設置し、その他適切な措置を速やかに講じなければならない。

2 ハラスメント等調査委員会に関する必要な事項は、別に定める。

(全学の相談窓口)

第10条 ハラスメント等の苦情相談等に対応するため、総務部人事課及び学生部学生生活課に全学的な相談窓口を置く。

2 相談窓口の担当職員は、次に掲げる業務を行う。

(1) 相談員との連絡調整

(2) 苦情相談に係る当事者間の調停

(3) 学長への報告・対処要請

(4) ハラスメント等調査委員会が行う事実関係調査への協力

(5) 措置不履行の改善申立に係る助言及び勧告

(6) その他ハラスメント等に起因する問題が生じた場合の対応

(相談員)

第11条 ハラスメント等にかかわる苦情相談に適切に対応するため、学部等に相談員を置く。

2 前項の相談員は、男女比等に配慮して配置するものとし、当該学部等の長から推薦された者を学長が委嘱する。

3 学長は、相談員の氏名、所属及び連絡先等について、職員及び学生等に周知しなければならない。

4 相談員の任務は、次に掲げる事項とし、人権及びプライバシーを尊重し、相談者が信頼し、安心して相談できるよう配慮して対応しなければならない。

(1) 苦情相談に対する助言

(2) 相談者の要望事項の確認(調停又はハラスメント等調査委員会の設置等を含む。)

(3) 相談記録の作成

(4) 相談者の意向に基づき、学部等の長への報告又は前条に定める全学の相談窓口への対処要請

(5) その他ハラスメント等に起因する問題が生じた場合の対応

5 前項の相談の対応にあたっては、別に定める指針に留意すること。

6 相談員は、防止委員会が主催するハラスメント等に関する研修又は説明会への参加等を通じて、ハラスメント等及びハラスメント等に起因する問題への理解を一層深めるよう努力しなければならない。

7 相談員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、欠員を生じた場合の補欠の相談員の任期は、前任者の残任期間とする。

(遵守義務)

第12条 苦情相談に関係した者は、当該苦情相談への対応を通じて知り得た内容を他に漏らしてはならない。

2 本学の職員及び学生等は、ハラスメント等にかかわる苦情相談の申立、当該苦情相談に係る調査への協力その他の対応に起因して、相談者及び当該苦情相談に関係した職員及び学生等に対して不利益な取扱いをしてはならない。

(調査結果への対処)

第13条 学長は、ハラスメント等調査委員会の報告を受け、懲戒処分等の必要があると認めた場合は、国立大学法人鹿児島大学職員懲戒規則(平成16年規則第47号)に基づく懲戒処分等に必要な措置を講じるものとする。

(雑則)

第14条 この規則に定めのない事項については、防止委員会において検討のうえ、対応する。

1 この規則は、平成16年4月1日から施行する。

2 この規則の施行前、第11条の相談員として委嘱された者の任期は、同条第7項の規定にかかわらず、平成16年6月30日までとする。

この規則は、平成18年4月1日から施行する。

この規則は、平成18年6月23日から施行する。

この規則は、平成19年4月1日から施行する。

この規則は、平成19年11月28日から施行し、平成19年4月1日から適用する。

この規則は、平成21年4月1日から施行する。

この規則は、平成23年4月1日から施行する。

この規則は、平成27年4月1日から施行する。

この規則は、平成27年4月1日から施行する。

この規則は、平成28年10月1日から施行する。

この規則は、平成29年1月1日から施行する。

この規則は、平成31年4月1日から施行する。

この規則は、令和2年6月25日から施行し、令和2年6月1日から適用する。

この規則は、令和4年4月1日から施行する。

この規則は、令和5年1月26日から施行する。

この規則は、令和6年2月15日から施行する。

国立大学法人鹿児島大学ハラスメント等防止に関する規則

平成16年4月1日 規則第62号

(令和6年2月15日施行)

体系情報
第1編 規則、細則/第2章 全学規則/第4節
沿革情報
平成16年4月1日 規則第62号
平成18年3月15日 規則第11号
平成18年6月23日 規則第63号
平成19年1月26日 規則第14号
平成19年11月28日 規則第85号
平成21年2月27日 規則第5号
平成23年3月18日 規則第18号
平成27年3月27日 規則第66号
平成27年3月31日 規則第73号
平成28年9月23日 規則第68号
平成28年11月28日 規則第75号
平成31年3月29日 規則第41号
令和2年6月25日 規則第50号
令和4年2月17日 規則第5号
令和5年1月26日 規則第6号
令和6年2月15日 規則第15号