○小浜市議会議員政治倫理条例
令和6年3月22日
条例第21号
小浜市議会議員政治倫理条例(平成11年小浜市条例第23号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託に基づくものであることを認識し、その担い手たる市議会議員(以下「議員」という。)は、市民全体の代表者として、また奉仕者として、その人格と倫理の向上に努め、いやしくも自己の地位による影響力を不正に行使して自己または特定の者の利益を図らないことを市民に宣言するとともに、清浄かつ公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。
(議員の責務)
第2条 議員は、市政に携わる権能と責務、市民の信頼に値する高い倫理性を深く自覚し、地方自治の本旨に従って、その使命の達成に努めなければならない。
2 議員は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、自ら進んで疑惑の解明に当たるとともに、説明責任を果たさなければならない。
(政治倫理基準)
第3条 議員は、次に定める政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1) 市民全体の代表者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。
(2) 市民全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上に努め、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。
(3) 市(市が資本金、基本金その他これらに準ずるものの2分の1以上を出資し、または拠出している法人を含む。)が行う許可、認可、補助金その他の給付の決定または契約および指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。以下同じ。)の指定に関し、特定の者に対して有利または不利となる働きかけをしないこと。
(4) 市の職員の公正な職務の遂行を妨げ、またはその職権を不正に行使させるような働きかけをしないこと。
(5) 市の職員の採用、昇格または異動に関して推薦または紹介をしないこと。
(6) 政治活動に関して、政治的もしくは道義的批判を受けるおそれのある寄附を受けないことまたは資金管理団体および後援団体に同様の寄附を受けさせないこと。
(7) 議会内での地位や議員としての地位を利用して、他の議員または市の職員はもとより、何人に対してもハラスメントその他人権侵害のおそれのある言動をとらないこと。
(請負契約に関する遵守事項)
第4条 議員は、法第92条の2の規定を遵守しなければならない。
(指定管理者の指定に関する遵守事項)
第5条 議員は、法第92条の2の規定の趣旨を尊重し、市が設置する公の施設の管理を行う指定管理者となる法人その他の団体の無限責任社員、取締役、執行役もしくは監査役もしくはこれらに準ずべき者または支配人および清算人(以下「役員」という。)に就くことができない。
(請負および指定管理者の指定の状況の報告および公表)
第6条 議員は、自己、2親等内の親族(以下この条において「親族」という。)または親族が役員である法人が市に対し請負をする場合および親族が役員である法人その他の団体が市から指定管理者の指定を受ける場合の状況を議長に報告しなければならない。
2 議長は、前項の規定による報告の概要を公表しなければならない。
3 前2項の規定による請負および指定管理者の指定の状況の報告および公表に関する手続その他必要な事項については、別に条例で定める。
(1) 市民等(法第18条に規定する選挙権を有する者をいう。)にあっては、50人以上の連署および議員2人以上の紹介をもってする者
(2) 議員にあっては、4人以上の議員の連署をもってする者
(審査の適否および審査特別委員会の設置)
第8条 議長は、議員に関して、前条に規定する審査請求があったときは、その審査の適否について議会運営委員会に諮るものとする。
2 前項の場合において、当該議員が議会運営委員会所属議員であるときは、その協議に加わることができない。
3 議会運営委員会は、協議の経過と結果を文書で議長に報告するものとする。
4 議長は、審査請求が適当との報告を受けたときは、会議に諮って、小浜市議会議員政治倫理審査特別委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
5 この条例に定めるもののほか、委員会の組織および運営については、小浜市議会委員会条例(平成3年小浜市条例第21号)の定めるところによる。
(政治倫理基準等の違反に係る委員会の審査)
第9条 委員会は、政治倫理基準等に違反する行為の存否に関して審査するものとする。
2 委員会は、その設置後速やかに審査を開始するとともに、設置の日から起算して120日を経過する日までに、審査の結果および意見を記載した審査結果報告書を議長に提出しなければならない。
3 委員会は、審査を行うに当たっては、審査の対象となった議員(以下「審査対象議員」という。)に意見を述べる機会を与えなければならない。
4 委員会は、審査を行うため、審査対象議員その他の者に対し必要な文書等の提出を求め、事情聴取等必要な調査を行うことができる。
5 委員会は、審査対象議員による市の職員への行為のうち第3条に規定する政治倫理基準に違反するものに関し、その対応等を記録した文書等の提出を、当該文書等を保有する市長その他の執行機関に求めることができる。
6 委員会は、審査のため必要があると認めるときは、真に利害関係を有する者、学識経験を有する者等から積極的に意見を聴くよう努めなければならない。
7 委員会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。また、その職を退いた後も、同様とする。
(審査結果の公表)
第10条 議長は、委員会から審査結果報告書の提出を受けたときは、違反の有無にかかわらず、審査請求をした者の代表者および審査対象議員に対し、その内容を通知するとともに、速やかにその概要を小浜市公告式条例(昭和26年小浜市条例第1号)第2条第2項の掲示場への掲示、議会報、議会ホームページへの掲載その他適当な手段により公表しなければならない。
(審査結果に対する措置)
第11条 議会は、委員会からの報告に基づき、政治倫理基準等に違反していると認められる議員に対して、市民の信頼を回復するために必要な措置を講ずることができる。
2 議長は、前項に規定する措置を講じたときは、その旨を公表しなければならない。
(議員の協力義務)
第12条 議員は、委員会から審査に必要な文書等の提出または委員会への出席を求められたときは、正当な理由なくこれを拒んではならない。
(委任)
第13条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、議長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この条例による改正後の小浜市議会議員政治倫理条例(以下「改正後の政治倫理条例」という。)の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後になされた政治倫理基準等に違反する行為(以下「違反行為」という。)について適用し、施行日前になされた違反行為については、なお従前の例による。
3 改正後の政治倫理条例の規定は、施行日以後の審査の請求について適用し、同日前になされた改正前の小浜市議会議員政治倫理条例第5条の規定による調査の請求については、なお従前の例による。