○公文書の管理に関する条例

令和4年7月19日

条例第20号

公文書の管理に関する条例をここに公布する。

公文書の管理に関する条例

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 行政文書等の管理

第1節 文書の作成(第4条)

第2節 行政文書等の整理等(第5条―第10条)

第3章 法人文書の管理(第11条・第12条)

第4章 歴史公文書の保存、利用等(第13条―第30条)

第5章 岩手県公文書管理委員会(第31条―第44条)

第6章 雑則(第45条―第50条)

第7章 罰則(第51条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、公文書の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等及び法人文書の適正な管理並びに歴史公文書の適切な保存、利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、県及び地方独立行政法人等の諸活動を現在及び将来の県民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。

(定義等)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 実施機関 知事、議会、教育委員会、公安委員会、警察本部長、選挙管理委員会、監査委員、人事委員会、労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会及び公営企業の管理者をいう。

(2) 地方独立行政法人等 県が設立した地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。)及び岩手県土地開発公社をいう。

(3) 行政文書等 行政文書(議会以外の実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書(図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。第40条を除き、以下同じ。)を含む。第23条及び第24条を除き、以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。)及び議会の事務局の職員が職務上作成し、又は取得した文書であって、議会の事務局の職員が組織的に用いるものとして、議会が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。

 新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの

 歴史公文書

 岩手県立図書館、地方自治法(昭和22年法律第67号)第100条第19項の規定により議会に附置された議会図書室その他の施設において、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用若しくは調査研究用の資料として特別の管理がされているもの

(4) 法人文書 地方独立行政法人等の役員又は職員が職務上作成し、又は取得した文書であって、当該地方独立行政法人等の役員又は職員が組織的に用いるものとして、当該地方独立行政法人等が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。

 新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの

 歴史公文書

 岩手県立図書館その他の機関において、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされているもの

(5) 歴史公文書 歴史的価値を有する行政文書等又は法人文書のうち、第8条第1項又は第11条第4項の規定により一般の利用に供するための保存の措置が講じられたものをいう。

(6) 公文書 行政文書等、法人文書及び歴史公文書をいう。

2 地方独立行政法人等は、この条例(次章第3章第47条及び第48条を除く。)の規定の適用については、実施機関とみなす。

(基本理念)

第3条 実施機関は、公文書が、県及び地方独立行政法人等の諸活動並びに歴史的事実の記録であり、健全な民主主義の根幹を支える県民共有の財産として、県民が主体的に利用し得るものであるとの認識の下に、公文書を適正に管理しなければならない。

第2章 行政文書等の管理

第1節 文書の作成

第4条 実施機関の職員(議会にあっては、事務局の職員に限る。以下同じ。)は、事務又は事業の処理に際しては、当該実施機関における経緯も含めた意思決定に至る過程及び当該実施機関の事務又は事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、実施機関の定めるところにより、文書を作成しなければならない。

第2節 行政文書等の整理等

(整理)

第5条 実施機関の職員が行政文書等を作成し、又は取得したときは、当該実施機関は、実施機関の定めるところにより、当該行政文書等について分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければならない。

2 実施機関は、能率的な事務又は事業の処理及び行政文書等の適切な保存に資するよう、単独で管理することが適当であると認める行政文書等を除き、適時に、相互に密接な関連を有する行政文書等(保存期間を同じくすることが適当であるものに限る。)を一の集合物(以下「ファイル」という。)にまとめなければならない。

3 前項の場合において、実施機関は、実施機関の定めるところにより、当該ファイルについて分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければならない。

4 実施機関は、第1項及び前項の規定により設定した保存期間及び保存期間の満了する日(この項の規定に基づき延長された後の保存期間及び保存期間の満了する日を含む。)を、実施機関の定めるところにより、延長することができる。

5 実施機関は、ファイル及び単独で管理している行政文書等(以下「ファイル等」という。)について、保存期間を設定した後速やかに、保存期間が満了したときの措置として、歴史公文書に該当すると見込まれるものにあっては一般の利用に供するための保存の措置を、それ以外のものにあっては廃棄の措置をとるべきことを定めなければならない。前項の規定に基づき保存期間及び保存期間の満了する日を延長したときも、同様とする。

(保存)

第6条 実施機関は、ファイル等について、当該ファイル等の保存期間(前条第4項の規定に基づき当該保存期間が延長された場合にあっては、当該延長後の保存期間。以下この節及び第11条において同じ。)の満了する日までの間、その内容、時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利用を確保するために必要な場所において、適切な記録媒体により、識別を容易にするための措置を講じた上で保存しなければならない。

(ファイル管理簿)

第7条 実施機関は、ファイル等の管理を適切に行うため、実施機関の定めるところにより、ファイル等の分類、名称、保存期間、保存期間の満了する日、保存期間が満了したときの措置及び保存場所その他の必要な事項(情報公開条例(平成10年岩手県条例第49号)第7条の規定により公にすることができない情報(以下「非開示情報」という。)又は岩手県議会情報公開条例(平成11年岩手県条例第61号)第7条各号に掲げる情報に該当するものを除く。)を台帳(以下「ファイル管理簿」という。)に記載しなければならない。ただし、1年未満の保存期間が設定されたファイル等については、この限りでない。

2 実施機関は、ファイル管理簿について、実施機関の定めるところにより、当該実施機関の事務所に備えて一般の閲覧に供するとともに、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により公表しなければならない。

(保存期間が満了したファイル等に係る措置)

第8条 実施機関は、保存期間が満了したファイル等について、第5条第5項の規定による定めに基づき、一般の利用に供するための保存の措置を講じ、又は廃棄しなければならない。

2 実施機関は、前項の規定により保存の措置を講じ、又は廃棄しようとするときは、岩手県公文書管理委員会の意見を聴かなければならない。

(行政文書等管理指針)

第9条 知事は、実施機関における行政文書等の管理がこの条例の規定により適正かつ統一的に行われるよう、次条第1項に規定する行政文書等管理規程の標準となるものとして行政文書等の管理に関する指針(以下「行政文書等管理指針」という。)を定めなければならない。

2 行政文書等管理指針には、行政文書等に関する次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 作成に関する事項

(2) 整理に関する事項

(3) 保存に関する事項

(4) ファイル管理簿に関する事項

(5) 保存期間が満了した後の措置に関する事項

(6) 管理の状況の報告に関する事項

(7) 前各号に掲げるもののほか、行政文書等の管理が適正に行われることを確保するために必要な事項

3 知事は、行政文書等管理指針を定め、又は変更しようとするときは、岩手県公文書管理委員会の意見を聴かなければならない。

4 知事は、行政文書等管理指針を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

(行政文書等管理規程)

第10条 実施機関は、当該実施機関における行政文書等の管理がこの条例の規定により適正に行われることを確保するため、行政文書等管理指針を標準として、当該実施機関に係る前条第2項各号に掲げる事項を規定した行政文書等の管理に関する定め(以下「行政文書等管理規程」という。)を設けなければならない。

2 実施機関は、行政文書等管理規程を設け、又は変更しようとするときは、岩手県公文書管理委員会の意見を聴かなければならない。ただし、岩手県公文書管理委員会が軽微な事項と認めるものについては、この限りでない。

3 実施機関は、行政文書等管理規程を設け、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

第3章 法人文書の管理

(法人文書の管理に関する原則)

第11条 地方独立行政法人等は、この条に定めるところによるほか、第4条から第6条までの規定に準じて、法人文書を適正に管理しなければならない。

2 地方独立行政法人等は、法人文書ファイル等(能率的な事務又は事業の処理及び法人文書の適切な保存に資するよう、相互に密接な関連を有する法人文書を一の集合物にまとめたもの並びに単独で管理している法人文書をいう。以下同じ。)の管理を適切に行うため、地方独立行政法人等の定めるところにより、法人文書ファイル等の分類、名称、保存期間、保存期間の満了する日、保存期間が満了したときの措置及び保存場所その他の必要な事項(非開示情報に該当するものを除く。)を台帳(以下「法人文書ファイル管理簿」という。)に記載しなければならない。ただし、1年未満の保存期間が設定された法人文書ファイル等については、この限りでない。

3 地方独立行政法人等は、法人文書ファイル管理簿について、地方独立行政法人等の定めるところにより、当該地方独立行政法人等の事務所に備えて一般の閲覧に供するとともに、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により公表しなければならない。

4 地方独立行政法人等は、保存期間が満了した法人文書ファイル等について、歴史公文書に該当すると見込まれるものにあっては一般の利用に供するための保存の措置を講じ、それ以外のものにあっては廃棄しなければならない。

(法人文書管理規程)

第12条 地方独立行政法人等は、法人文書の管理が前条の規定により適正に行われることを確保するため、行政文書等管理指針を参酌して、法人文書の管理に関する定め(以下「法人文書管理規程」という。)を設けなければならない。

2 第10条第2項及び第3項の規定は、地方独立行政法人等が法人文書管理規程を設け、又は変更する場合について準用する。この場合において、これらの規定中「実施機関」とあるのは、「地方独立行政法人等」と読み替えるものとする。

第4章 歴史公文書の保存、利用等

(歴史公文書の保存等)

第13条 実施機関は、歴史公文書について、第29条第1項の規定に基づき廃棄されるに至る場合を除き、永久に保存しなければならない。

2 実施機関は、歴史公文書について、その内容、保存状態、時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利用を確保するために必要な場所において、適切な記録媒体により、識別を容易にするための措置を講じた上で保存しなければならない。

3 実施機関は、歴史公文書に個人情報(個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。以下同じ。)が記録されている場合には、当該個人情報の漏えいの防止のために必要な措置を講じなければならない。

4 実施機関は、実施機関の定めるところにより、歴史公文書の分類、名称、一般の利用に供するための保存の措置を講じた時期及び保存場所その他の歴史公文書の適切な保存を行い、及び適切な利用に資するために必要な事項を記載した目録を作成し、これを公表しなければならない。

(利用請求権)

第14条 何人も、この条例の定めるところにより、実施機関に対し、当該実施機関が保存する歴史公文書の利用を請求することができる。

(利用請求の手続)

第15条 前条の規定に基づく利用の請求(以下「利用請求」という。)は、次に掲げる事項を記載した書面(以下「利用請求書」という。)を実施機関に提出してしなければならない。

(1) 利用請求をする者の氏名及び住所又は居所(法人その他の団体にあっては、名称、所在地及び代表者の氏名)

(2) 第13条第4項の目録に記載された当該利用請求に係る歴史公文書の名称

2 実施機関は、利用請求書に形式上の不備があると認めるときは、利用請求をした者(以下「利用請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、利用請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。

(利用請求に係る実施機関の責務等)

第16条 実施機関は、歴史公文書について利用請求があったときは、次に掲げる場合を除き、これを利用させなければならない。

(1) 当該歴史公文書に次に掲げる情報が記録されている場合

(2) 当該歴史公文書の原本を利用に供することにより当該原本の破損若しくはその汚損を生ずるおそれがある場合又は実施機関が当該原本を現に使用している場合

2 実施機関は、利用請求に係る歴史公文書が前項第1号に該当するか否かについて判断するに当たっては、当該歴史公文書が行政文書等又は法人文書として作成され、又は取得されてからの時の経過を考慮しなければならない。

3 実施機関は、第1項第1号に掲げる場合であっても、同号アからまでに掲げる情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、利用請求者に対し、当該部分を除いた部分を利用させなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。

4 利用請求に係る歴史公文書に第1項第1号イに掲げる情報(特定の個人を識別することができるものに限る。)が記録されている場合において、当該情報のうち、氏名、生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより、公にしても、個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは、当該部分を除いた部分は、同号イに掲げる情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する。

(本人情報の取扱い)

第17条 実施機関は、前条第1項の規定にかかわらず、同項第1号イに掲げる情報により識別される特定の個人(以下この条において「本人」という。)から、当該情報が記録されている歴史公文書について利用請求があった場合において、実施機関の定めるところにより本人であることを示す書類の提示又は提出があったときは、本人の生命、健康、生活又は財産を害するおそれがある情報が記録されている場合を除き、当該歴史公文書につき同号イに掲げる情報(本人に関する個人情報に限る。)が記録されている部分についても、利用させなければならない。

(利用請求に対する措置)

第18条 実施機関は、利用請求に係る歴史公文書の全部又は一部を利用させるときは、その旨の決定をし、利用請求者に対し、その旨及び利用に関し実施機関が定める事項を書面により通知しなければならない。

2 実施機関は、利用請求に係る歴史公文書の全部を利用させないときは、その旨の決定をし、利用請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。

(利用決定等の期限)

第19条 前条各項の決定(以下「利用決定等」という。)は、利用請求があった日から起算して30日以内にしなければならない。ただし、第15条第2項の規定に基づき補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。

2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を30日以内に限り延長することができる。この場合において、実施機関は、利用請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。

(利用決定等の期限の特例)

第20条 利用請求に係る歴史公文書が著しく大量であるため、利用請求があった日から起算して60日以内にその全てについて利用決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前条の規定にかかわらず、実施機関は、利用請求に係る歴史公文書のうちの相当の部分につき当該期間内に利用決定等をし、残りの歴史公文書については相当の期間内に利用決定等をすれば足りる。この場合において、実施機関は、同条第1項に規定する期間内に、利用請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

(1) この条を適用する旨及びその理由

(2) 残りの歴史公文書について利用決定等をする期限

(事案の移送)

第21条 実施機関は、利用請求に係る歴史公文書が他の実施機関において保存しているものであるときその他他の実施機関において利用決定等をすることにつき正当な理由があるときは、当該他の実施機関と協議の上、当該他の実施機関に対し、事案を移送することができる。この場合においては、移送をした実施機関は、利用請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。

2 前項の規定に基づき事案が移送されたときは、移送を受けた実施機関において、当該利用請求についての利用決定等をしなければならない。この場合において、移送をした実施機関が移送前にした行為は、移送を受けた実施機関がしたものとみなす。

3 前項の場合において、移送を受けた実施機関が第18条第1項の決定(以下「利用決定」という。)をしたときは、当該実施機関は、利用請求に係る歴史公文書を利用させなければならない。この場合において、移送をした実施機関は、当該歴史公文書を利用させるための必要な協力をしなければならない。

(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)

第22条 利用請求に係る歴史公文書に県、国、公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号)第2条第2項に規定する独立行政法人等、県以外の地方公共団体、地方独立行政法人等及び利用請求者以外の者(以下この条、第26条第3項及び第27条において「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、実施機関は、利用決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、利用請求に係る歴史公文書の名称その他実施機関が定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。

2 実施機関は、第三者に関する情報が記録されている歴史公文書を利用させようとする場合であって、当該情報が情報公開条例第7条第1項第2号イ若しくは第3号ただし書又は岩手県議会情報公開条例第7条第2号イ若しくは第3号ただし書に規定する情報に該当すると認めるときは、利用決定に先立ち、当該第三者に対し、利用請求に係る歴史公文書の名称その他実施機関が定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。

3 実施機関は、前2項の規定に基づき意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該歴史公文書を利用させることに反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、利用決定をするときは、利用決定の日と利用させる日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、実施機関は、利用決定後直ちに、当該意見書(第26条第1項及び第3項において「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、利用決定をした旨及びその理由並びに利用させる日を書面により通知しなければならない。

(利用の方法)

第23条 実施機関が歴史公文書を利用させる場合には、文書又は図画については閲覧又は写しの交付により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して実施機関が定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による歴史公文書の利用にあっては、当該歴史公文書の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。

2 利用決定に基づき歴史公文書を利用する者は、実施機関の定めるところにより、当該利用決定をした実施機関に対し、その求める利用の方法その他の実施機関が定める事項を申し出なければならない。

3 前項の規定による申出は、第18条第1項の規定による通知があった日から起算して30日以内にしなければならない。ただし、当該期間内に当該申出をすることができないことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。

4 利用決定に基づき歴史公文書を利用した者は、最初に利用した日から起算して30日以内に限り、実施機関に対し、更に利用する旨を申し出ることができる。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。

(費用負担)

第24条 利用請求を行い、文書又は図画の写しの交付を受ける者は、実施機関が定める額の当該写しの交付に要する費用を負担しなければならない。

2 利用請求を行い、電磁的記録を前条第1項の実施機関が定める方法により利用する者は、実施機関が定める方法ごとに実施機関が定める額の当該電磁的記録の利用に要する費用を負担しなければならない。

(審理員の指名等の適用除外)

第25条 利用決定等又は利用請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項本文の規定は、適用しない。

(岩手県公文書管理委員会への諮問等)

第26条 利用決定等又は利用請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、速やかに、岩手県公文書管理委員会に諮問しなければならない。

(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合

(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る歴史公文書の全部を利用させることとする場合(当該歴史公文書の利用について反対意見書が提出されている場合を除く。)

2 前項の規定による諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写し(同法第9条第3項において読み替えて適用する同法第30条第1項に規定する反論書が提出された場合にあっては、弁明書の写し及び当該反論書の写し)を添えてしなければならない。

3 第1項の規定により諮問をした実施機関(次項及び第36条において「諮問実施機関」という。)は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。

(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下同じ。)

(2) 利用請求者(利用請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(3) 当該審査請求に係る歴史公文書の利用について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

4 諮問実施機関は、第1項の規定による諮問に対する答申を受けたときは、その答申を尊重して裁決をしなければならない。

5 前項の裁決は、審査請求がされた日(行政不服審査法第23条の規定により不備を補正すべきことを命じた場合にあっては、当該不備が補正された日)から起算して120日以内に行うよう努めなければならない。

(第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続)

第27条 第22条第3項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用する。

(1) 利用決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決

(2) 審査請求に係る利用決定等(利用請求に係る歴史公文書の全部を利用させる旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る歴史公文書を利用させる旨の裁決(第三者である参加人が当該歴史公文書の利用に反対の意思を表示している場合に限る。)

(地方独立行政法人等に対する審査請求)

第28条 地方独立行政法人等がした利用決定等又は地方独立行政法人等に対する利用請求に係る不作為について不服がある者は、当該地方独立行政法人等に対し、審査請求をすることができる。

(歴史公文書の廃棄)

第29条 実施機関は、歴史公文書として保存されている文書が歴史的価値を失ったと認める場合には、当該文書を廃棄することができる。

2 実施機関は、前項の規定に基づき文書を廃棄しようとするときは、岩手県公文書管理委員会の意見を聴かなければならない。

(歴史公文書の保存等に関する定め)

第30条 実施機関は、歴史公文書の保存、利用及び廃棄が第13条から第24条まで及び前条の規定により適切に行われることを確保するため、次に掲げる事項を規定した歴史公文書の保存等に関する定めを設けなければならない。

(1) 保存に関する事項

(2) 第24条に規定する費用の負担その他一般の利用に関する事項

(3) 廃棄に関する事項

(4) 保存及び利用の状況の報告に関する事項

2 実施機関は、前項の定めを設け、又は変更しようとするときは、岩手県公文書管理委員会の意見を聴かなければならない。ただし、岩手県公文書管理委員会が軽微な事項と認めるものについては、この限りでない。

3 実施機関は、第1項の定めを設け、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

第5章 岩手県公文書管理委員会

(設置等)

第31条 実施機関の諮問に応じ、この条例の規定によりその権限に属させられた事項を調査審議するため、岩手県公文書管理委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、前項の規定による調査審議のほか、この条例の実施に関し実施機関に意見を述べることができる。

(組織)

第32条 委員会は、委員5人以内で組織する。

(委員)

第33条 委員は、学識経験のある者のうちから知事が任命する。

2 委員の任期は、3年とする。ただし、欠員が生じた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 知事は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認めるとき、又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認めるときは、その委員を罷免することができる。

4 委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

5 委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。

(委員長)

第34条 委員会に委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。

2 委員長は、会務を総理し、会議の議長となる。

3 委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、委員長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。

(会議)

第35条 委員会は、委員長が招集する。

2 委員会は、委員の半数以上が出席しなければ会議を開くことができない。

3 委員会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 委員会は、第26条第1項の規定による諮問のあった日から起算して90日以内に答申するよう努めなければならない。

(委員会の調査権限)

第36条 委員会は、審査請求に係る事件に関し必要があると認めるときは、諮問実施機関に対し、利用決定等に係る歴史公文書の提示を求めることができる。この場合においては、何人も、委員会に対し、その提示された歴史公文書の利用を求めることができない。

2 諮問実施機関は、委員会から前項の規定に基づく求めがあったときは、これを拒んではならない。

3 委員会は、審査請求に係る事件に関し必要があると認めるときは、諮問実施機関に対し、利用決定等に係る歴史公文書に記録されている情報の内容を委員会の指定する方法により分類し、又は整理した資料を作成し、委員会に提出するよう求めることができる。

4 第1項及び前項に定めるもののほか、委員会は、審査請求に係る事件に関し、審査請求人、参加人又は諮問実施機関(以下「審査請求人等」という。)に意見書又は資料の提出を求めること、適当と認める者にその知っている事実を陳述させ、又は鑑定を求めることその他必要な調査をすることができる。

(意見の陳述)

第37条 委員会は、審査請求人等から申立てがあったときは、当該審査請求人等に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、委員会が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。

2 前項本文の場合においては、審査請求人又は参加人は、委員会の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。

(意見書等の提出)

第38条 審査請求人等は、委員会に対し、意見書又は資料を提出することができる。ただし、委員会が意見書又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

(委員による調査手続)

第39条 委員会は、必要があると認めるときは、その指名する委員に、第36条第1項の規定に基づき提示された歴史公文書を閲覧させ、同条第4項の規定に基づく調査をさせ、又は第37条第1項本文の規定による審査請求人等の意見の陳述を聴かせることができる。

(提出資料の写しの送付等)

第40条 委員会は、第36条第3項若しくは第4項又は第38条の規定に基づく意見書又は資料の提出があったときは、当該意見書又は資料の写し(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この項及び次項において同じ。)にあっては、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面)を当該意見書又は資料を提出した審査請求人等以外の審査請求人等に送付するものとする。ただし、第三者の利益を害するおそれがあると認められるときその他正当な理由があるときは、この限りでない。

2 審査請求人等は、委員会に対し、委員会に提出された意見書又は資料の閲覧(電磁的記録にあっては、記録された事項を委員会が定める方法により表示したものの閲覧)を求めることができる。この場合において、委員会は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。

3 委員会は、第1項の規定による送付をし、又は前項の規定に基づく閲覧をさせようとするときは、当該送付又は閲覧に係る意見書又は資料を提出した審査請求人等の意見を聴かなければならない。ただし、委員会が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。

4 委員会は、第2項の規定に基づく閲覧について、日時及び場所を指定することができる。

(審査請求に係る調査審議手続の非公開)

第41条 委員会の行う審査請求に係る調査審議の手続は、公開しない。

(答申書の送付等)

第42条 委員会は、第26条第1項の規定による諮問に対する答申をしたときは、答申書の写しを審査請求人及び参加人に送付するとともに、答申の内容を公表するものとする。

(庶務)

第43条 委員会の庶務は、総務部において処理する。

(委員長への委任)

第44条 この章に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が委員会に諮って定める。

第6章 雑則

(管理状況等の公表)

第45条 知事は、毎年度、実施機関における行政文書等及び法人文書の管理の状況並びに歴史公文書の保存及び利用の状況を取りまとめ、その概要を公表しなければならない。

(組織の見直しに伴う公文書の適正な管理のための措置)

第46条 実施機関は、当該実施機関について統合、廃止等の組織の見直しが行われる場合には、その管理する公文書について、統合、廃止等の組織の見直しの後においてこの条例の規定に準じて適正に管理が行われるよう必要な措置を講じなければならない。

(出資法人の文書管理)

第47条 県が資本金、基本金その他これらに準ずるものを出資している法人(地方独立行政法人等を除く。以下「出資法人」という。)は、この条例の趣旨にのっとり、当該出資法人の保有する文書の適正な管理に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 実施機関は、出資法人のうち実施機関が定めるものについて、その性格及び業務内容に応じ、当該出資法人の保有する文書について適正に管理が行われるよう、必要な措置を講じなければならない。

(指定管理者の文書管理)

第48条 実施機関は、指定管理者(地方自治法第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。以下同じ。)に公の施設の管理を行わせるときは、当該指定管理者との間で締結する協定において、当該公の施設の管理に関する文書について適正に管理が行われるよう、当該指定管理者が講ずべき措置を明らかにしなければならない。

(適用除外)

第49条 次の各号に掲げるものについては、当該各号に定める規定は、適用しない。

(1) 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第53条の2第3項に規定する訴訟に関する書類 第2章(第8条を除く。)の規定

(2) 刑事訴訟法第53条の2第4項に規定する押収物 この条例の規定

(補則)

第50条 この条例に定めるもののほか、この条例の実施に関し必要な事項は、実施機関が別に定める。

第7章 罰則

第51条 第33条第4項の規定に違反して秘密を漏らした者は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。

(一部改正〔令和6年条例72号〕)

(施行期日)

1 この条例は、令和4年10月1日から施行する。ただし、第5章(第36条から第42条までを除く。)及び第7章並びに次項から附則第5項までの規定は、公布の日から施行する。

(準備行為)

2 知事は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前においても、第9条の規定の例により、行政文書等管理指針を定め、これを公表することができる。

3 前項の規定に基づき定められ、公表された行政文書等管理指針は、施行日において第9条の規定により定められ、公表されたものとみなす。

4 実施機関及び地方独立行政法人等は、施行日前においても、第10条第12条及び第30条の規定の例により、行政文書等管理規程、法人文書管理規程及び同条第1項の定めを設け、これを公表することができる。

5 前項の規定に基づき設けられ、公表された行政文書等管理規程、法人文書管理規程及び第30条第1項の定めは、施行日において第10条第12条及び第30条の規定により設けられ、公表されたものとみなす。

(経過措置)

6 施行日前に実施機関が自ら定めるところにより作成した行政文書等の管理台帳については、第7条第1項に規定するファイル管理簿とみなして、この条例の規定を適用する。

7 地方独立行政法人等は、施行日前に自ら定めた基準により保存期間を定めて施行日において現に保存している簿冊等(能率的な事務又は事業の処理及び法人文書の適切な保存に資するよう、相互に密接な関連を有する法人文書を一の集合物にまとめたもの並びに単独で管理している法人文書をいう。)で当該保存期間が満了していないもの及び施行日前に自ら定めるところにより作成した法人文書の管理台帳については、第3章の規定の例により取り扱うことができる。

8 施行日において歴史公文書に相当するものとして一般の利用に供するための目録が作成され、公表されている行政文書等については、歴史公文書とみなして、この条例の規定を適用する。

9 施行日前になされた前項の規定により歴史公文書とみなされた行政文書等に関する情報公開条例及び個人情報保護条例(平成13年岩手県条例第7号)の規定による請求に係る手続等については、なお従前の例による。

(情報公開条例の一部改正)

10 情報公開条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(個人情報保護条例の一部改正)

11 個人情報保護条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(令和6年12月18日条例第72号)

(施行期日)

1 この条例は、令和7年6月1日から施行する。

(罰則の適用等に関する経過措置)

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

3 この条例の施行後にした行為に対して、他の条例の規定によりなお従前の例によることとされる罰則を適用する場合において、当該罰則に定める刑に刑法等の一部を改正する法律(令和4年法律第67号)第2条の規定による改正前の刑法(明治40年法律第45号。以下「旧刑法」という。)第12条に規定する懲役が含まれるときは、当該刑は、その刑と長期及び短期を同じくする拘禁刑とする。

(人の資格に関する経過措置)

4 拘禁刑又は拘留に処せられた者に係る他の条例の規定によりなお従前の例によることとされる人の資格に関する条例の規定の適用については、無期拘禁刑に処せられた者は無期禁錮に処せられた者と、有期拘禁刑に処せられた者は刑期を同じくする有期禁錮に処せられた者と、拘留に処せられた者は刑期を同じくする旧刑法第16条に規定する拘留に処せられた者とみなす。

公文書の管理に関する条例

令和4年7月19日 条例第20号

(令和7年6月1日施行)

体系情報
第2編 行政総則/第1章 法制及び文書/第3節 文書及び公印
沿革情報
令和4年7月19日 条例第20号
令和6年12月18日 条例第72号