○芦屋市市民参画及び協働の推進に関する条例

平成19年3月20日

条例第5号

(目的)

第1条 この条例は、本市の市政に対する市民の参画を推進するための基本的な事項を定めることにより、市民及び市が協働による住みよいまちをつくることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市民 市内に在住、在勤及び在学する個人並びに市内で活動する法人その他の団体をいう。

(2) 市民参画 市民が市政に参加する意思を反映させることを目的として市の施策の企画立案、実施及び評価の過程に参加することをいう。

(3) 協働 市民及び市がまちづくりについて、それぞれの役割と責務を自覚し、互いに尊重し、補完し、協力することをいう。

(4) 審議会等 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定により設置する審議会等及び市の施策の企画立案、意見交換、提言等を行うため要綱等により設置する委員会等をいう。

(5) 市民提案 市民が自ら施策を提案し、又は市の求めに応じて市民が提案することに対して、その提案の概要、提案に対する市の考え及び結果を公表する手続をいう。

(6) ワークショップ 市の施策の策定に当たり、一定の案に集約するため、市民が参加し、各種共同作業等を行い、施策について議論する方法をいう。

(7) パブリックコメント 市の施策の策定に当たり、その施策の趣旨、目的、内容等を公表し、広く市民の意見を提出する機会を設け、提出された意見に対する市の考え及び結果を公表する手続をいう。

(基本原則)

第3条 市民及び市は、次に掲げる原則を踏まえ、市民参画及び協働の推進を図るものとする。

(1) 自立の原則 市民は、自らの意思により市民参画及び協働の推進を行い、市は、市民活動の自主性を尊重する。

(2) 対等の原則 市民及び市は、対等の関係として市民参画及び協働の推進を行う。

(3) 相互理解及び協力の原則 市民及び市は、市民参画及び協働の推進の目的を共有し、信頼関係の醸成と相互協力関係の形成に努める。

(4) 情報の提供及び共有の原則 市民参画及び協働の推進に関する情報について、市民は自らの持つ活動の情報を提供し、市は積極的に情報を公開し、互いに共有する。

(5) 評価と説明の原則 市民参画及び協働による施策の実施にかかわる市民は、それぞれが担った役割の成果について評価と説明を行い、市は、市民参画及び協働により行う施策の実施について、評価と説明の責任を持つ。

(市の責務)

第4条 市は、市民の市民参画及び協働への意識と意欲を高めるよう啓発を行う。

2 市は、市民が市政について必要とする情報を積極的に公開する。

3 市は、市民が容易に市政に参画し、協働を推進できるよう創意工夫を行う。

(市民の責務)

第5条 市民は、協働の精神の下で市民参画に取り組み、公共の利益を図ることを基本として、積極的な協働に努める。

(市民参画の対象)

第6条 市民参画の手続の対象となる施策は、次の各号のとおりとする。

(1) 市の基本構想、基本計画その他基本的事項を定める計画等の策定又は重要な変更

(2) 市政に関する基本方針を定め、又は市民に義務を課し、若しくは権利を制限する条例の制定又は改廃

(3) 公共の用に供される大規模な施設の設置に係る基本計画等若しくはその利用や運営に関する方針の策定又はそれらの重要な変更

(4) その他市民生活に極めて重大な影響を及ぼす制度の導入又は改廃

2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する施策については、市民参画の手続を行わないことができる。

(1) 法令又は条例に施策の実施の基準が定められ、当該基準に基づき行うもの

(2) 市税の賦課徴収及び分担金、使用料、手数料等の徴収に関するもの

(3) 前2号に掲げるもののほか、緊急を要するものその他やむを得ない理由があるもの

(市民参画の手続)

第7条 この条例における市民参画の手続は、次のとおりとする。

(1) 審議会等の活用

(2) 市民提案の活用

(3) ワークショップの開催

(4) パブリックコメントの活用

(5) 前各号に掲げるもののほか、市長が適当と認める協議会、公聴会等の活用

2 市は、手続の実施に当たっては、前項各号の手続のうちから、適切かつ効果的なものを選択し、実施しなければならない。

(審議会等)

第8条 市は、審議会等の委員の選任に当たっては、他の審議会等における委員の就任状況、構成等を勘案し、選任するよう努めるものとする。

2 市は、審議会等に市民公募による委員を1人以上選任するよう努めなければならない。

(市民提案)

第9条 市民は、市民提案により具体的な施策を提案することができる。

2 市は、市民から施策に対する提案を求めようとするときは、あらかじめ次の事項を公表する。

(1) 対象事項の目的

(2) 提案の提出先、提出方法及び提出期間

(3) その他提案に関する必要な事項

3 市は、市民からの提案について検討を行い、市の考え及び検討結果を公表する。ただし、芦屋市情報公開条例(平成14年芦屋市条例第15号)の趣旨に照らし、公表することが不適当と認められる部分(第11条第3項において「非公開情報部分」という。)については、公表しない。

(ワークショップ)

第10条 市は、ワークショップを開催するときは、広く市民の参加を求め、素案の合意形成が図られるよう努めなければならない。

(パブリックコメント)

第11条 市は、パブリックコメントを実施しようとするときは、あらかじめ次の事項を公表する。

(1) 対象事項の案及び関係資料

(2) 意見の提出先、提出方法及び提出期間

(3) その他意見に関する必要な事項

2 意見の提出期間は、原則として1月以上とする。ただし、緊急の必要があるときその他やむを得ないときは、その理由を公表した上で意見の提出期間を短縮することができる。

3 市は、提出された意見について検討を行い、市の考え及び検討結果を公表する。ただし、非公開情報部分については、公表しない。

(市民参画の手続の実施時期)

第12条 市は、市民参画の対象となる施策の決定前のできるだけ早い時期から市民参画の手続を実施するよう努めなければならない。

(市民参画の手続の公表)

第13条 市民参画の手続に関する事項を公表するときは、次に掲げる方法のうちから適切な方法により行うものとする。

(1) 担当の所管課での閲覧

(2) 市広報紙への掲載

(3) 市ホームページへの掲載

(4) 行政情報コーナーでの閲覧

(5) その他効果的に周知できる方法

(実施予定及び実施状況の公表)

第14条 市は、毎年度、その年度における市民参画の手続の実施予定及び前年度における市民参画の手続の実施状況を取りまとめ、公表するものとする。

(協働の拠点)

第15条 市は、市民参画及び協働の推進を図るため、地域の課題解決又は発展を目的として市内で活動する個人及び市民活動団体(次条において「市民活動団体等」という。)の協働の拠点を設置する。

2 前項の協働の拠点の運営については、市民が市の協力を得て行うものとする。

(市民活動団体等への支援)

第16条 市は、市民活動団体等に対して、その活動の支援に努める。

(推進計画)

第17条 市は、市民参画及び協働による市政を総合的に推進するための計画(以下「推進計画」という。)を定め、実施するものとする。

2 市は、推進計画を定め、又は変更するときは、その内容を公表するものとする。

(芦屋市市民参画協働推進会議への諮問)

第18条 市長は、推進計画の策定、推進計画の進行状況その他推進計画に関し必要な事項については、芦屋市附属機関の設置に関する条例(平成18年芦屋市条例第5号)第2条に規定する芦屋市市民参画協働推進会議に諮るものとする。

(補則)

第19条 この条例の施行に関し、必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成19年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、既に着手され、又は着手のための準備が進められている施策であって、市民参画の手続を実施することが困難なものについては、第8条から第11条までの規定は適用しない。

(検討)

3 市は、社会情勢の変化及び市民参画の推進状況に応じて検討を加え、その結果に基づいて、5年以内を目途にこの条例の見直し等の必要な措置を講じるものとする。

(芦屋市附属機関の設置に関する条例の一部改正)

4 芦屋市附属機関の設置に関する条例(平成18年芦屋市条例第5号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(芦屋市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

5 芦屋市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年芦屋市条例第13号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

芦屋市市民参画及び協働の推進に関する条例

平成19年3月20日 条例第5号

(平成19年4月1日施行)