○芦屋市男女共同参画推進条例
平成21年3月27日
条例第10号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 男女共同参画の推進を阻害する行為の制限(第7条・第8条)
第3章 男女共同参画の推進に関する基本的施策等(第9条―第16条)
第4章 雑則(第17条)
附則
わたしたちの誰もが、学び、知っている「日本国憲法」には、すべての人は、個人として尊重され、その尊厳と基本的人権において平等である、とうたわれています。
これと同じ理想を掲げて、いま、その推進が国際的に展開されている「男女共同参画社会」の実現に、わたしたちのまち、芦屋市も、国や兵庫県とともに取り組んでいます。
誰もが、性別にかかわりなく社会の対等な構成員として、その個性と能力を発揮し、家庭、職場、学校、地域その他あらゆる分野に参画できるとともに均等に責任を担い、しあわせを分かち合う、この「男女共同参画社会」を実現することは、わたしたち芦屋市民の願いです。
阪神・淡路大震災において、わたしたちは、老若男女関係なく、お互いが助け合い、支えあうことのすばらしさを体験しました。このあらゆる市民の参画と協働が、地域の社会・文化づくりに大きな力となったことから、今後、男女共同参画の一層の推進が必要であることを知り、それが、これからの社会やまちの様々な問題解決への道を拓くことを学びました。
わたしたちは、市、市民及び事業者等の協働の下、市民の一人一人が活き活きとゆたかに生活できる未来のあるまちとして、国際文化住宅都市芦屋に、「男女共同参画社会」の実現を決意し、ここに、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し基本理念を定め、市、市民及び事業者等の責務を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する市の施策の基本的事項を定めることにより、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって男女共同参画社会を実現することを目的とする。
(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、ともに責任を担うべきことをいう。
(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(3) 市民 市内に在住、在勤又は在学する個人をいう。
(4) 事業者等 市内において営利、非営利を問わず、事業又は活動を行う個人、法人その他の団体をいう。
(5) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動により相手方の生活環境を害すること、又は性的な言動に対する相手方の対応によってその者に不利益を与えることをいう。
(6) ドメスティック・バイオレンス 配偶者その他親密な関係にある者(過去に配偶者であった者その他親密な関係にあった者を含む。)から受ける身体的、精神的、経済的、社会的又は性的な暴力をいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画は、次に掲げる基本理念に基づき、推進されなければならない。
(1) 男女の個人としての尊厳が重んじられること、男女が直接的又は間接的であるかを問わず、性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることを旨とすること。
(2) 男女が、性別による固定的な役割分担意識に基づいた社会の様々な制度又は慣行によってその活動が制限されることなく、自らの意思において多様な生き方を選択することができるように配慮すること。
(3) 男女が、社会の対等な構成員として、様々な政策又は方針の立案及び決定に、共同して参画する機会が確保されること。
(4) 家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、家庭生活における活動と職場、学校、地域その他の社会生活における活動を両立して行うことができるようにすること。
(5) 男女共同参画の推進は、国際社会における取組と密接な関係を有していることにかんがみ、国際的な理解と協調の下に行われること。
(6) 男女が、互いの性を尊重するとともに、その身体についての理解を深め、生涯にわたり共に健康な生活を営むことができるように配慮すること。
(市の責務)
第4条 市は、男女共同参画の推進を主要な政策として位置付け、前条に定める男女共同参画の推進のための基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下「男女共同参画推進施策」という。)を総合的に策定し、実施しなければならない。
2 市は、市民及び事業者等(以下「市民等」という。)が行う男女共同参画の推進のための活動を支援するとともに、国、県及び他の地方公共団体と連携及び協力を図り、男女共同参画の推進に努めなければならない。
3 市は、男女共同参画推進施策を実施するため必要な財政上の措置を講ずるよう努めなければならない。
(市民の責務)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に関する理解を深め、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において、主体的かつ積極的に男女共同参画を推進するよう努めるとともに、市が実施する男女共同参画推進施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者等の責務)
第6条 事業者等は、基本理念にのっとり、その事業又は活動において男女共同参画の推進に努めるとともに、市が実施する男女共同参画推進施策に協力するよう努めるものとする。
第2章 男女共同参画の推進を阻害する行為の制限
(性別による差別的取扱い等の禁止)
第7条 何人も、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において、次に掲げる行為を行ってはならない。
(1) 性別による差別的取扱い
(2) セクシュアル・ハラスメント
(3) ドメスティック・バイオレンス
(4) 前3号に掲げるもののほか、性別による人権侵害
(公衆に表示する情報に関する留意)
第8条 何人も、広報、広告その他公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担及び暴力的行為を助長し、又は連想させる表現並びに著しく性的感情を刺激する表現を行わないよう努めなければならない。
第3章 男女共同参画の推進に関する基本的施策等
(男女共同参画行動計画)
第9条 市長は、男女共同参画推進施策を総合的かつ計画的に実施するため、男女共同参画行動計画(以下「行動計画」という。)を策定する。
2 行動計画は、次に掲げる事項について定める。
(1) 総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画推進施策の大綱
(2) 前号に掲げるもののほか、男女共同参画推進施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な事項
3 市長は、行動計画を策定するに当たっては、芦屋市附属機関の設置に関する条例(平成18年芦屋市条例第5号)第2条に規定する芦屋市男女共同参画推進審議会に諮るものとする。
4 市長は、行動計画を策定したときは、速やかにこれを公表する。
5 前2項の規定は、行動計画の変更について準用する。
(実施状況の年次報告)
第10条 市長は、毎年、行動計画に基づく施策の実施状況をとりまとめた年次報告を作成し、公表する。
(施策の策定等に当たっての配慮)
第11条 市は、男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、男女共同参画の推進に配慮しなければならない。
(調査研究)
第12条 市は、男女共同参画推進施策の総合的かつ計画的な推進のために必要な調査研究を行うものとする。
(推進体制)
第13条 市長は、男女共同参画推進施策を円滑かつ総合的に企画し、調整し、及び実施するため、必要な体制の整備を図るものとする。
(総合的な拠点施設の整備)
第14条 市は、男女共同参画推進施策を実施し、市民等による男女共同参画の取組を支援するため、総合的な拠点施設を整備するものとする。
(男女共同参画の視点に立つ教育の推進)
第15条 市は、学校、家庭、職場、地域その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画を推進するための教育及び学習の充実に必要な措置を講ずるものとする。
(苦情等の申出の処理)
第16条 市民等は、市長に対し、市が実施する男女共同参画推進施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策についての苦情及び提案(以下「苦情等」という。)を申し出ることができる。
2 市長は、前項の規定による申出があった場合において、必要と認めるときは、適切な措置を講ずるものとする。
3 市長は、苦情等への対応に当たり、必要と認めるときは、芦屋市男女共同参画推進審議会の意見を聴くことができる。
第4章 雑則
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成21年4月1日から施行する。
(芦屋市附属機関の設置に関する条例の一部改正)
2 芦屋市附属機関の設置に関する条例(平成18年芦屋市条例第5号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
(芦屋市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
3 芦屋市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年芦屋市条例第13号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略