○鎌ケ谷市消防本部集団救急事故トリアージ基準

平成12年4月18日

消本訓令第5号

(目的)

第1条 この鎌ケ谷市消防本部集団救急事故トリアージ基準(以下「基準」という。)は、鎌ケ谷市消防本部集団救急事故対策要綱(平成12年消防本部訓令第1号。以下「要綱」という。)に定める応急救護所(以下「救護所」という。)において医師が到着するまでの間、救急搬送順位決定等のために救急隊員等が応急的に行うトリアージの手順等について定めることを目的とする。

(トリアージの実施)

第2条 トリアージは、災害発生現場における救護所で傷病者の緊急度や傷病程度に応じ、別表第1に定める「症状・状態によるトリアージ区分」の4段階に分類することとする。ただし、搬送途上において傷病程度が推移した場合は、再度トリアージを実施し、症状・状態に応じた分類にするものとする。

(トリアージタッグの記載方法等)

第3条 トリアージタッグ(以下「タッグ」という。)の記載方法等は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) タッグの記載者及び記載事項

 タッグは、要綱で定める各担当者が記載する。

 タッグの記載事項は、別表第2に示すとおりとする。

 タッグ裏面は、特に留意すべき事項、あるいは応急処置の内容などを記載する。

 収容医療機関から他の医療機関への転院は、通常の転院搬送の方法による。

(2) タッグ記載上の注意事項

 トリアージを迅速に行うため、鎌ケ谷市消防指揮本部要綱(平成10年市消防本部訓令第6号)に定める指揮本部長が指名した補助者は、状況に応じトリアージ担当者の指示を受け、必要事項の補助的記載を行う。(医師等到着後の補助的記載についても医師等の指示に従い従事する。)

 記載は、後の修正を考慮し、各欄上部に余白を残す。

 記載内容を変更する場合は=で消し、その上部に変更後の事項及び変更時間を記載する。

 筆記具は、黒色のボールペンを使用する。

(3) 記載済のタッグの回収及び保管

 救護所責任者は、タッグに番号を付し、災害現場で「災害現場用」タッグのみを回収のうえ番号順に保管する。

 救急隊(応急救急隊を含む。)は、収容医療機関に傷病者を引きわたす場合は、「搬送機関用」タッグを回収し保管する。

 「収容医療機関用」タッグは、医療機関で保管する。

(4) タッグの提出及び指示等

 家族が自己の自家用車等により災害現場から傷病者を搬送する場合は、タッグの[搬送機関名欄]に[家族で搬送]と明記のうえ「災害現場用」タッグのみを回収し、他のタッグを付したまま医療機関に搬送するよう指示する。

 トリアージを実施せずに医療機関に多数の傷病者を搬送した場合は、医師のトリアージ後に搬送隊が「災害現場用」タッグ及び「搬送機関用」タッグを回収のうえ「災害現場用」タッグを救護所責任者に提出し、「搬送機関用」タッグを保管する。ただし、「収容医療機関用」タッグにあっては、医療機関で保管する。

 傷病者の症状が軽くなり新たにタッグを作成した場合は、「災害現場用」タッグと共に最初のタッグを救護所責任者に提出する。

(トリアージによる搬送方法)

第4条 トリアージによる搬送方法は、別表第3による。

(タッグの記載例)

第5条 タッグの記載例は、別記様式に示すとおりとする。

(補則)

第6条 この基準に定めるもののほか、必要な事項は消防長が別に定める。

この訓令は、令達の日から施行する。

別表第1(第2条関係)

症状・状態によるトリアージ区分

分類

順位

症状及び状態

タッグ色

緊急治療群

第一順位

1 緊急に医療機関で治療を開始されれば救命可能と考えられるもの

2 具体的症例

ア 意識障害(Ⅱ桁以上)があり

・ 瞳孔不同

・ 異常肢位(除脳姿勢、除皮質姿勢)

・ 気道の開存性に疑問がある

イ 外出血があり

・ 体表からの動脈性出血が明らかである

・ 広範な軟部組織からの持続性出血がある

ウ ショック

・ 不穏状態、蒼白、発汗、冷汗等がある

・ 橈骨動脈の拍動が触知し難いか触知できない

・ 血圧低下(収縮期血圧90mmHg未満)又は測定不能

エ 呼吸障害があり

・ 上気道狭窄、上気道閉塞が疑われる(吸気性努力)

・ 鼻翼、頸部、肋間等呼吸補助筋による呼吸困難の訴え

・ チアノーゼがある

・ 呼吸数30/分以上、10/分未満

オ その他

・ 熱傷Ⅱ度30%以上、Ⅲ度10%以上、気道熱傷

・ 脊椎(髄)損傷、全身打撲、多発外傷

赤色

(Ⅰ)

準緊急治療群

第二順位

1 多少の時間経過後に医療機関で治療をされても生命予後に影響がないと考えられるもの

(基本的にはバイタルサインが安定している場合)

2 具体的症例

ア 意識障害があるが、上記の条件を満たさないもの

イ 明らかな長骨骨折(開放性、非開放性)があるもの

ウ 胸痛、腹痛を訴えるもの

また、圧痛があるもの

黄色

(Ⅱ)

軽症群

第三順位

上記以外の軽易な症状があるもの

緑色

(Ⅲ)

死亡群

第四順位

1 明らかに死亡しているもの

(体幹・頸部の離脱、死後硬直が認められる等)

2 医師が死亡と判断したもの

黒色

(0)

別表第2(第3条関係)

トリアージタッグの記載事項

記載項目

記載事項

タッグの番号(NO)

1 トリアージ実施場所ごとに「通し番号」をつける。

2 再度トリアージを行った場合でも最初に記載した番号は変更しない。

氏名・年齢・性別・住所・電話

1 氏名、年齢、性別、住所は必ず記入する。なお、性別は○で囲む。

2 不明の場合は、「氏名不詳」「推定○○歳」、住所には、「鎌ケ谷市右京塚10番2号路上で収容」など具体的に記載する。

トリアージ実施月日時

トリアージを行った月日、時刻を記載。時刻は分の単位まで記載する。

トリアージ実施者氏名

トリアージを行った者の氏名をフルネームで記載する。

搬送機関名

「鎌ケ谷市くぬぎ山救急隊」、「家族で搬送」など搬送した機関名を具体的に記載する。

トリアージ実施場所

災害現場となった場所の救護所を記載。「○○交差点救護所」などトリアージを行った場所を具体的に記載する。

収容医療機関名

「○○病院」「○○診療所」など、傷病者を収容する医療機関名を記載する。

トリアージ実施機関

「鎌ケ谷市消防本部」とする。併せてトリアージを行った職種のうち、その他の○で囲み( )内に「救急隊」又は「救急救命士」と記載する。

傷病名

傷病名は医師が記載し、救急隊員は記載しない。救急隊員は、傷病者の症状(負傷箇所、主訴等)を「骨折」「創傷」「出血」などと記載する。

傷病程度

トリアージ区分に応じ記載する。

トリアージ区分

1 トリアージ区分を○で囲むとともに、トリアージ区分と同じモギリ部分を残して切り離す。

2 救護所内や救急車内で症状が重くなったことによりトリアージ区分を変更する場合には、最初に○で囲んだ区分を=で消して新たな区分を○で囲み、その上部に変更時間を記載し、変更後のトリアージ区分と同じモギリ部分を残して切り離す。

3 症状が軽くなったことによりトリアージ区分を変更する場合は、最初に○で囲んだ区分を=で消して新たに2枚目のタッグを作成する。

4 死亡は、医師が判定する。この場合は死亡群(0)に○をつけるとともに死亡確認の月日、時間を分単位で記載する。

特記事項

1 災害現場、搬送機関、収容医療機関で共通で使用する。

2 搬送、治療上特に留意すべき事項を記載する。

人体図

負傷箇所を表示すると共に負傷状況を具体的に記載する。

別表第3(第4条関係)

トリアージによる搬送方法

分類

内容

緊急治療群

(重症群)

1 バイタルサインを安定させるための応急処置を行い、速やかに救急救命センター又は災害協力病院等の症状に適した後方機関に搬送する。ただし、処置内容は、重症者の多寡等により制約を受ける。

2 近くに臨時のヘリポートを確保できればヘリコプター搬送を要請して被害地外の後方医療機関に搬送する。

準緊急治療群

前欄を優先し、原則として災害協力病院等に搬送する。

軽症群

前各欄を優先し原則として災害協力病院等に搬送する。

死亡群

遺体は、タンカ等で救護所付近の安置場所へ運ぶ。

画像画像

鎌ケ谷市消防本部集団救急事故トリアージ基準

平成12年4月18日 消防本部訓令第5号

(平成12年4月18日施行)