○大田区情報公開条例

昭和60年11月28日

条例第51号

(目的)

第1条 この条例は、公文書の開示を求める区民の権利を明らかにするとともに、公文書の開示等に関し必要な事項を定めることにより、区政に携わる機関が区民に対して説明する責務を全うして、区政情報の公開の推進を図り、もつて一層公正で開かれた区政の実現を図り、区民と区政との信頼関係を増進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 実施機関 区長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員及び議会をいう。

(2) 公文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録をいう。以下同じ。)であつて、実施機関において定めている事案決定手続又はこれに準ずる手続が終了し、実施機関が管理しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。

 官報、公報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの

 実施機関が管理する施設等において、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされているもの

(実施機関の責務)

第3条 実施機関は、区民の区政への参加をより一層推進し、区民生活の向上と充実を図るため、情報公開施策の拡充を図り、情報を積極的に公開するものとする。

2 実施機関は、公文書の開示を求める権利が十分に尊重されるようにこの条例を解釈し、運用するものとする。

3 実施機関は、この条例の解釈及び運用に当たつては、個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮をしなければならない。

(出資法人等の責務)

第3条の2 区が出資する法人で区長が指定するもの及び公の施設の管理を行う指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。)は、この条例の趣旨を尊重し、開かれた区政の実現及び区民との信頼関係の増進に寄与するため情報の公開に努めなければならない。

(利用者の責務)

第4条 この条例の定めるところにより公文書の開示を受けようとするものは、この条例の目的に即し、適正な請求(第15条の規定による申出を含む。)に努めるとともに、公文書の開示を受けたときは、これによつて得た情報を適正に使用しなければならない。

(公文書の開示を請求できるもの)

第5条 次に掲げるもの(以下「請求権者」という。)は、実施機関に対して、公文書の開示(第5号に掲げるものにあつては、そのものの有する利害関係に係る公文書の開示に限る。)を請求することができる。

(1) 区の区域内に住所を有する者

(2) 区の区域内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体

(3) 区の区域内に存する事務所又は事業所に勤務する者

(4) 区の区域内に存する学校に在学する者

(5) 前各号に掲げるもののほか、実施機関が行う事務事業に利害関係を有するもの

(公文書の開示の請求方法)

第6条 請求権者が、公文書の開示を請求しようとするときは、当該公文書を管理している実施機関に対して、次に掲げる事項を明らかにして当該実施機関が定めるところにより請求しなければならない。

(1) 請求権者の氏名及び住所(法人その他の団体にあつては、名称及び所在地)

(2) 請求に係る公文書を特定するために必要な事項

(3) 前条第5号に該当する請求権者にあつては、その利害関係の内容

(4) 前3号に掲げるもののほか、実施機関が定める事項

2 実施機関は、前項の規定に基づく請求に形式上の不備があると認めるときは、請求権者に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、請求権者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。

(公文書の開示の請求に対する決定等)

第7条 実施機関は、前条の規定による公文書の開示の請求があつたときは、当該請求を受理した日の翌日から起算して14日以内に、当該請求に対する開示の可否を決定しなければならない。この場合において、議会にあつては議長が決定を行うものとする。

2 前条第2項の規定により補正を求めた場合にあつては、当該補正に要した日数は、前項に規定する期間に算入しない。

3 実施機関は、やむを得ない理由により、第1項に規定する期間内に同項の決定をすることができないときは、同項前段の規定にかかわらず当該請求を受理した日の翌日から起算して60日を限度としてその期間を延長することができる。この場合においては、実施機関は、速やかに当該延長の理由を請求者に書面により通知しなければならない。

4 実施機関は、第1項の決定を行つたときは、速やかに当該決定の内容を請求者に通知しなければならない。この場合において、開示しない(公文書の一部を開示しない及び開示請求に係る公文書が存在しない場合を含む。)旨を通知するときは、その理由を付記した書面により行わなければならない。

5 実施機関は、第1項の決定をする場合において、当該決定に係る公文書に区の機関以外のものに関する情報が記録されているときは、あらかじめこれらのものの意見を聴くことができる。

(公文書の開示の実施及び方法)

第8条 公文書の開示は、実施機関が前条第4項の規定による通知により指定する日時及び場所において行う。

2 公文書の開示は、文書、図画又は写真については閲覧又は写しの交付により、フィルムについては視聴又は写しの交付により、電磁的記録については視聴、閲覧、写しの交付等でその種別、情報化の進展状況等を勘案して実施機関が定める方法により行う。

3 前項の視聴又は閲覧の方法による公文書の開示にあつては、実施機関は、当該公文書の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるとき、第11条の規定による公文書の開示であるとき、その他合理的な理由があるときは、当該公文書の写しによりこれを行うことができる。

(公文書の開示の義務)

第9条 実施機関は、公文書の開示の請求があつたときは、速やかに当該公文書を開示しなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、次の各号のいずれかに該当する情報が記録されている公文書については、開示しないことができる。

(1) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であつて、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 法令若しくは条例の規定により、又は慣行として知ることができ、又は知ることが予定されている情報

 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報

 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等(独立行政法人通則法第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)の役員及び職員、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分

(2) 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下この号において「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であつて、開示することにより、当該法人等又は個人の事業の運営を不当に害すると認められるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 法人等又は個人の事業活動によつて生じ、又は生ずるおそれのある危害から、人の生命、身体及び健康を保護するため、開示することが必要であると認められる情報

 法人等又は個人の違法又は不当な事業活動によつて生じ、又は生ずるおそれのある支障から、人の安定した社会生活を保護するため、開示することが必要であると認められる情報

 及びに掲げる情報のほか、開示することが公益上必要であると認められる情報

(3) 開示することにより、行政上の義務に違反する行為の取締りその他公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれのある情報

(4) 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であつて、開示することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に区民等の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれのあるもの

(5) 区の機関内部における審議、協議、検討又は調査等に関する情報であつて、開示することにより、当該事務事業又は同種の事務事業の公正又は適切な意思決定に障害を生ずるおそれのあるもの

(6) 徴税等の実施要領、入札の予定価格、争訟又は交渉の方針、試験問題、その他実施機関が行う事務事業に関する情報で、当該事務事業の性質上、開示することにより、当該事務事業の公正、適切な実施又は運営を著しく困難にするおそれのあるもの

(7) 法令又は条例の規定により、明らかに開示することができないとされている情報

3 前項の規定によるもののほか、実施機関は、この条例の目的又は第4条に定める利用者の責務に反していると認める開示の請求については、大田区情報公開・個人情報保護審査会条例(平成10年条例第68号)に基づく大田区情報公開・個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)に諮問し、その議を経て、当該請求に係る公文書を開示しないことができる。

第10条 削除

(公文書の部分開示)

第11条 実施機関は、公文書の開示の請求に係る公文書に、第9条第2項各号のいずれかに該当することにより開示しない情報(以下「不開示情報」という。)とそれ以外の情報とが併せて記録されている場合において、不開示情報に係る部分とそれ以外の部分とを容易に分離することができ、かつ、分離したことにより開示の請求の趣旨が失われることがないと認めるときは、不開示情報に係る部分を除いて、当該公文書を開示するものとする。

(公文書の存否に関する情報)

第11条の2 公文書の開示の請求に対し、当該請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該請求を拒否することができる。

(費用負担)

第12条 公文書の開示に係る手数料は、無料とする。

2 公文書の開示の請求により公文書の写しの交付を受けるものは、当該写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならない。

3 前項に定める費用の額は、区長が別に定める。

(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)

第13条 第7条第1項の規定による決定、第11条の2の規定による公文書の開示の請求を拒否する決定、この条例に規定する要件を満たさない等の理由により公文書の開示の請求を拒否する決定(第2条第2号ア若しくは又は第18条に該当するため公文書の開示をしない場合を含む。)又は公文書の開示の請求に係る不作為についての審査請求は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項本文の規定は適用しない。

(審査会への諮問及び裁決)

第14条 前条に規定する審査請求があつた場合は、当該審査請求に係る審査庁は、次に掲げる場合を除き、審査会に諮問し、その議を経て、当該審査請求について、遅滞なく、裁決をしなければならない。

(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合

(2) 審査請求に係る処分を取り消し、又は変更して、当該審査請求に係る公文書の全部を開示する場合(第7条第5項の規定による聴取に対し、当該処分について反対の意見が表明されている場合を除く。)

2 前項の規定による諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項に規定する弁明書の写しを添えてしなければならない。

3 第1項の規定による裁決の主文が審査会の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなつた理由を、裁決書に記載しなければならない。

(諮問をした旨の通知)

第14条の2 前条の規定により諮問をした審査庁は、次に掲げるものに対し、諮問をした旨を通知しなければならない。

(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下同じ。)

(2) 公文書の開示の請求をした者(審査請求人及び参加人を除く。)

(3) 第7条第5項の規定による聴取に対し、当該処分について反対の意見を表明している者

(公文書の任意的な開示)

第15条 実施機関は、請求権者でないものから、公文書の閲覧若しくは視聴又は写しの交付の申出があつた場合において、当該申出が、この条例の目的に照らして適切と認めるときは、これに応ずるよう努めるものとし、その取扱いは、請求権者の請求に基づく公文書の開示に準じて行う。

2 第12条の規定は、前項の規定に基づき公文書の閲覧、視聴又は写しの交付を行う場合について準用する。

(実施状況の公表)

第16条 区長は、各実施機関におけるこの条例の規定による実施状況を毎年1回、公表するものとする。

(公文書目録等の作成等)

第17条 実施機関は、公文書目録等を作成し、閲覧に供するものとする。

(他の法令による閲覧等の取扱い)

第18条 公文書の開示の請求のうち、請求権者を本人とする保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第76条に規定する保有個人情報をいう。)に係るものについては、同法の規定によるものとし、この条例は適用しない。

2 前項に規定するもののほか、この条例は、法令若しくは他の条例の規定により公文書の閲覧若しくは縦覧若しくは公文書の謄本、抄本その他の写しの交付の手続が定められ、これに基づき公文書の開示を行う場合又は実施機関が定めるところにより大田区手数料条例(昭和32年条例第24号)第2条第11号若しくは第12号の規定に基づき事務手数料を徴収して公文書の開示を行う場合については、適用しない。

3 この条例は、前項に規定するもののほか、実施機関が管理する施設等において、閲覧に供し、又は貸し出すことを目的とする図書等については、適用しない。

(委任)

第19条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が別に定める。

1 この条例は、昭和61年1月1日から施行する。

2 この条例は、大田区立の小学校、中学校、養護学校及び幼稚園が管理している公文書については、大田区教育委員会規則で定める日から適用する。

(平成10年10月12日条例第65号)

1 この条例は、平成11年4月1日から施行する。ただし、第13条及び第14条の改正規定は、平成10年12月1日から施行する。

2 改正後の第7条第1項及び第2項の規定は、この条例の施行の日以後に請求を受理したものから適用し、同日前に請求を受理したものについては、なお従前の例による。

(平成17年3月18日条例第31号)

1 この条例は、平成17年4月1日から施行する。

2 この条例の施行の際、この条例による改正前の大田区公文書開示条例(以下「旧条例」という。)の規定に基づき実施機関に対して現にされている公文書の開示の請求又は公文書の開示に係る実施機関の決定に対する不服申立てについては、旧条例の規定を適用する。

(平成28年3月14日条例第5号)

(施行期日)

1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 実施機関の処分又は不作為についての不服申立てであって、この条例の施行の日前にされた処分又は同日前にされた請求に対する不作為に係るものについては、なお従前の例による。

(令和5年2月28日条例第2号)

(施行期日)

1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。ただし、付則第3項の規定は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、この条例による改正前の大田区情報公開条例(以下「旧条例」という。)の規定に基づき実施機関に対して現にされている公文書の開示の請求又は公文書の開示に係る実施機関の決定に対する審査請求については、旧条例の規定を適用する。

(大田区行政手続条例の一部改正)

3 大田区行政手続条例(平成7年条例第44号)の一部を次のように改正する。

(次のよう省略)

大田区情報公開条例

昭和60年11月28日 条例第51号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
例規集/第1章 則/第7節 情報公開・個人情報保護等
沿革情報
昭和60年11月28日 条例第51号
昭和63年11月25日 条例第30号
平成5年10月15日 条例第40号
平成10年10月12日 条例第65号
平成17年3月18日 条例第31号
平成18年3月20日 条例第1号
平成28年3月14日 条例第5号
令和5年2月28日 条例第2号