○芦屋市議会基本条例
平成26年10月2日
条例第29号
目次
前文
第1章 総則(第1条)
第2章 議会・議員活動の原則(第2条―第7条)
第3章 市民と議会との関係(第8条―第10条)
第4章 議会と市長等との関係(第11条・第12条)
第5章 議会の運営(第13条―第17条)
第6章 議会の体制・専門性(第18条―第22条)
第7章 議員定数及び議員報酬(第23条・第24条)
第8章 補則(第25条―第27条)
附則
芦屋市は、北に六甲山、南に瀬戸内海という自然環境に恵まれ、神戸と大阪の二大都市の間に位置する立地の下、良好な住環境を形成する「国際文化住宅都市」としてのまちづくりを進めてきました。そこには、自分たちのまちへの愛着と誇りが脈々と受け継がれており、自分たちのまちは自分たちでつくるという自主と自立の精神が息づいています。
芦屋市議会は、この精神を尊重し、住民自治と団体自治という地方自治の本旨に基づいた市政運営がなされるよう議会としての責務を果たしていかなければなりません。
もとより市議会は、ともに公選された議員と市長による二元代表制の下、市長との健全な緊張関係を保持しつつ、市長等執行機関を監視するとともに、政策提案等を通じて市民の多様な意思を市政に反映させる役割を担っています。
この役割を果たすため、芦屋市議会は、これまでも他市に先んじて、あるいは独自に様々な議会改革を行ってきました。これからも積極的な情報公開と公平公正でわかりやすい議会運営に努めるとともに、より良い芦屋市の姿を市民とともに考え、さらに豊かでしっかりとした議論ができる議会を目指してまいります。
ここに芦屋市議会は、議会機能の強化や議員の自己研鑽と政治倫理の向上に、より一層努めるとともに、市民の負託に応え、市民福祉の向上と芦屋市の民主的な発展に寄与していくことを決意し、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨に基づき、二元代表制の下、議会が担うべき役割を果たすための基本的事項を定めることにより、議会をより活性化し、市民の負託に応え、もって市民福祉の向上と市政の発展に寄与することを目的とする。
第2章 議会・議員活動の原則
(議会活動の原則)
第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 公正性、透明性及び信頼性を確保し、市民に開かれた議会を目指すこと。
(2) 市民の代表機関として、多様な市民意見を的確に把握し、市政に反映させるための議会運営に努めること。
(3) 会派及び議員間の協議による合意を尊重した民主的な議会運営に努めること。
(議員活動の原則)
第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 議会が言論の府であること及び合議制機関であることを十分認識し、積極的な発言、議論等を行うこと。
(2) 自己の能力を高める不断の研鑽により、市民の代表としてふさわしい活動をすること。
(3) 一部の団体及び地域の代表にとらわれず、市民全体の利益を図る立場で活動すること。
(議長の役割)
第4条 議長は、議会の代表として、議会の品位を保持し、議会の機能強化に向けて先導的な役割を果たさなければならない。
2 議長は、中立かつ公平な立場で職務を行い、民主的で効率的な議会運営を行わなければならない。
(議長及び副議長志願者の所信表明)
第5条 議会は、議長及び副議長の選出に当たっては、それぞれの職を志願する者に対して所信を表明する機会を設けるものとする。
(会派)
第6条 議員は、議会活動を行うに当たり、会派を結成することができる。
2 会派は、政策立案、政策提言等のために調査研究を行う。
(議員の政治倫理)
第7条 議員は、高い倫理的義務が課せられていることを深く自覚し、芦屋市議会議員及び市長等の倫理に関する条例(平成13年芦屋市条例第21号)及び芦屋市議会議員の虚礼廃止等に関する決議(令和3年芦屋市議会決議)を遵守し、常に良心に従い、誠実かつ公正にその職務を行わなければならない。
(令4条例13・一部改正)
第3章 市民と議会との関係
(市民に対する情報の公開)
第8条 議会は、本会議のほか、委員会を広く市民に公開するものとする。
2 議会は、議会の広報誌、ホームページその他の広報媒体の活用により、市民への広報活動に積極的に取り組むものとする。
(市民意見の把握と反映)
第9条 議会は、請願の審議・審査に当たっては、請願者の口頭による意見陳述等により、願意の的確な把握に努めるものとする。
2 議会は、公聴会制度、参考人制度、意見公募手続(パブリックコメント)等を活用して、専門的識見や市民意見を議会活動に反映させるよう努めるものとする。
(議会報告会)
第10条 議会は、議会報告会を開催し、議会としての説明責任を果たすとともに、市民との意見交換に努めるものとする。
第4章 議会と市長等との関係
(緊張関係の保持)
第11条 議会は、市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)と常に緊張ある関係を保持し、市長等の事務の執行の監視及び評価を行うとともに、政策立案、政策提言等を積極的に行い、民主的な市政の発展に取り組むものとする。
(政策等の形成過程の把握)
第12条 議会は、市長等から提案される議案のほか、政策、施策、計画、事業等について、慎重な審議を図るため、その政策等の形成過程の把握に努めるものとする。
2 議会は、前項の政策等の形成過程の把握のため、市長等に対して必要な情報提供を求めることができる。
第5章 議会の運営
(定例会の開催等)
第13条 芦屋市議会の定例会は、その回数を年4回とする。
2 議会(定例会及び臨時会)の会議の運営については、芦屋市議会会議規則(平成16年芦屋市議会規則第1号)の定めるところによる。
(議員の質問と反問権)
第14条 議員が定例会で行う一般質問は、一問一答方式又は一括質問方式によるものとする。
2 市長その他の説明員は、議員の質問に対し、議論を深めるために反問することができる。
(令元条例22・一部改正)
(傍聴者への配慮)
第15条 議会は、市民が傍聴しやすい環境整備とわかりやすい議会運営に努めるものとする。
2 議会は、本会議及び委員会を傍聴する市民に対して議案書等の資料の提供又は貸与に努めるものとする。
(委員会の運営)
第16条 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第109条第1項に規定する委員会を適切に設置し、その機動性と専門性を活かすとともに、公平公正な運営により、市民の負託に応えるものとする。
2 委員会の運営については、芦屋市議会委員会条例(平成16年芦屋市条例第21号)の定めるところによる。
(議決事件の追加)
第17条 法第96条第2項の規定に基づく議会の議決すべき事件は、次のとおりとする。
(1) 憲章及び都市宣言の制定又は改廃に関すること。
(2) 姉妹都市及び友好都市の提携又は解消に関すること。
(3) 本市における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想並びに当該基本構想を実現するために必要な施策及びその方向性を総合的かつ体系的に示す基本計画の策定又は改廃に関すること。
第6章 議会の体制・専門性
(議会図書室の充実等)
第18条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の整備充実に努めるものとする。
2 議会図書室は、議員のみならず、別に定めるところにより、誰もがこれを利用できるものとする。
(議会事務局の体制整備)
第19条 議会は、その政策立案、政策提言及び監視機能を補助させるため、議会事務局の調査及び法務機能の充実強化を図るよう努めるものとする。
(議員研修の充実強化)
第20条 議会は、議員の政策立案、政策提言等の能力向上を図るため、議員研修の充実強化を図るものとする。
(政務活動費の執行)
第21条 会派及び議員は、芦屋市議会政務活動費の交付に関する条例(平成13年芦屋市条例第7号)に基づき交付される政務活動費を有効に活用し、政策立案、政策提言等のための調査研究を積極的に行うものとする。
2 会派及び議員は、別に定める政務活動費の使途基準に従い、これを適正に執行し、使途の透明性を確保しなければならない。
(災害等への対応)
第22条 議会は、災害等が発生したときは、災害対策及び災害復旧の迅速かつ円滑な遂行に資するため、必要に応じて全議員で構成する芦屋市議会災害対策会議を設置するものとする。
2 芦屋市議会災害対策会議の活動については、別に定める。
(令2条例12・一部改正)
第7章 議員定数及び議員報酬
(議員定数)
第23条 議員定数は、芦屋市議会議員定数条例(昭和33年芦屋市条例第8号)に定めるところによる。
2 議会は、議員定数の改正に当たっては、市民及び専門家の意見を聴取し、本市の実情に即して議会がその機能を十分に果たせる定数を検討するものとする。
(議員報酬)
第24条 議員報酬は、芦屋市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例(昭和31年芦屋市条例第12号)に定めるところによる。
2 議会は、議員報酬の改正に当たっては、市民の負託に応える議員活動の対価であることを基本にし、芦屋市特別職報酬等審議会の意見のほか、市の財政状況、市民の生活実態等を考慮し、検討するものとする。
第8章 補則
(他の条例等との関係)
第25条 この条例は、議会に関する基本的事項を定める条例であり、議会に関する他の条例等を制定し、又は改廃するときは、この条例との整合性を図るものとする。
(条例の理念の徹底)
第26条 議会は、議員にこの条例の理念などを徹底させるため、議員の任期開始後、速やかに、この条例の研修を行うものとする。
(検証及び見直し)
第27条 議会は、市民の意見、社会情勢の変化等を考慮し、議会機能を充実強化する視点から、この条例の有効性及び妥当性について常に検証するとともに、少なくとも各任期中に1回は、その結果を市民に公表するものとする。
2 議会は、前項の規定による検証の結果、必要と認められるときは、この条例の改正を含めて適切な措置を講ずるものとする。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(芦屋市議会定例会条例の廃止)
2 芦屋市議会定例会条例(昭和27年芦屋市条例第32号)は、廃止する。
(議会の議決すべき事件を定める条例の廃止)
3 議会の議決すべき事件を定める条例(平成17年芦屋市条例第20号)は、廃止する。
附則(令和元年12月20日条例第22号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和2年3月23日条例第12号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和4年3月22日条例第13号)
この条例は、公布の日から施行する。