○鹿児島大学における研究活動上の不正行為に関する規則
平成19年2月23日
規則第25号
(目的)
第1条 この規則は、鹿児島大学(以下「本学」という。)において研究に従事する全ての者(以下「研究者等」という。原則として学生は除く。)の研究活動上の不正行為を防止し、学術研究の健全な環境の確保と学術研究の信頼性と公正性を高めるため、本学における研究活動上の不正行為への対応に関し、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この規則において「不正行為」とは、投稿論文など発表された研究成果に関する次に掲げる行為であり、故意又は研究者等としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによるものをいう。
(1) 捏造 存在しないデータ、研究結果等を作成すること。
(2) 改ざん 研究資料・機器・過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。
(3) 盗用 他の研究者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を当該研究者等の了解又は適切な表示なく流用すること。
(4) 二重投稿 他の学術雑誌等に既発表又は投稿中の論文と本質的に同じ論文を投稿すること。
(5) 不適切なオーサーシップ 論文著作者が適正に公表されないこと。
(6) その他 査読における不適切な行為等、科学者の行動規範及び社会通念に照らして研究者が守るべき倫理からの逸脱の程度が重大であるもの。
2 この規則において「告発者」とは、前項に規定する不正行為に関する相談、告発を行う者をいう。
3 この規則において「被告発者」とは、前項に規定する告発者による相談、告発の対象者をいう。
4 この規則において「悪意」とは、被告発者を陥れるため、あるいは被告発者が行う研究を妨害するためなど、専ら被告発者に何らかの損害を与えることや被告発者が所属する機関・組織等に不利益を与えることを目的とする意思をいう。
5 この規則において「研究機関」とは、国内外に所在する大学、短期大学、高等専門学校、大学共同利用機関、国及び地方公共団体の直轄研究機関、独立行政法人、財団法人、社団法人、企業をいう。
6 この規則において「資金配分機関」とは、競争的研究費等の公募型の研究費等及び基盤的経費その他の予算の配分又は措置をする機関をいう。
7 この規則において「部局」とは、各学部、各研究科、附属病院、機構又は機構の各センター、ヒトレトロウイルス学共同研究センター及び各学内共同教育研究施設をいう。
(行動規範及びオーサーシップ・ポリシー)
第3条 研究者は、鹿児島大学における研究活動に係る行動規範(平成19年10月26日学長裁定)及び鹿児島大学におけるオーサーシップ・ポリシー(平成20年3月18日学長裁定)に従って研究活動を行うものとする。
(最高管理責任者)
第4条 本学全体を統括し、研究活動における不正行為に対応するための最終責任を負う者として最高管理責任者を置き、学長をもって充てる。
(研究活動における不正行為に関する統括管理責任者)
第5条 最高管理責任者を補佐し、研究活動における不正行為に対応するための本学全体を統括する実質的な責任と権限を持つ者として統括管理責任者(以下「統括管理責任者」という。)を置き、学長が指名する理事をもって充てる。
(研究倫理教育責任者)
第6条 不正行為を事前に防止し、公正な研究活動を推進するため、研究者等に求められる倫理規範を修得等させるための教育(以下「研究倫理教育」という。)を実施するため、研究倫理教育責任者を置き、部局の長をもって充てる。ただし、ヒトレトロウイルス学共同研究センターにあっては、センター長又はキャンパス長をもって充てる。
2 研究倫理教育責任者は、部局の研究者や研究支援人材を対象に定期的に研究倫理教育を実施し、実施状況を最高管理責任者に報告するものとする。
3 研究倫理教育の内容については、別に定める。
(研究データの保存)
第7条 研究者等は、研究データを一定期間保存し、調査委員会からの求めなど、必要に応じて開示できるよう適切に保管・管理するものとする。
2 保存する研究データの対象や保存期間は別に定める。
(告発等の受付窓口)
第8条 本学における不正行為に関する告発を受ける窓口を監査室及び学外の法律事務所に設置する。また、告発の意思を明示しない相談を受ける窓口を研究推進部研究協力課に設置する。
2 前項に規定する不正行為に関する告発又は告発の意思を明示しない相談を受ける窓口を、「受付窓口」という。
3 受付は、文書、電子メール、ファックス又は面会の方法によるものとする。
4 受付窓口の職員は、告発を受理した場合には、速やかに統括管理責任者に報告し、統括管理責任者は最高管理責任者にその旨を報告しなければならない。
(告発等の取扱い)
第9条 告発は、原則として顕名とし、不正行為を行ったとする研究者・研究グループ、不正行為の態様等、事案の内容が明示され、かつ、不正とする科学的合理性のある理由が示されているもののみを受け付けるものとする。
2 前項の規定にかかわらず、匿名による告発があった場合、報道や学会等の研究者コミュニティにより不正行為の疑いが指摘された場合、他の研究機関から本学へ事案が回付された場合、本学が設置する他の通報窓口に通報があった場合及びインターネット上に掲載されていることを本学が確認した場合は、内容に応じ、顕名の告発があった場合に準じた取扱いをすることができる。
3 告発が本学が調査を行うべき事案に該当しない場合は、該当する研究機関に当該告発を回付するものとする。また、本学以外にも調査を行う研究機関又は資金配分機関が想定される場合は、該当する機関に当該告発について通知する。
4 文書による告発など、受付窓口が受け付けたか否かを告発者が知りえない方法による告発がなされた場合は、告発者(匿名の告発者を除く。ただし、調査結果が出る前に告発者の氏名が判明した後は顕名による告発者として取り扱う。以下同じ。)に受け付けたことを通知する。
5 告発の意思を明示しない相談を受けた場合は、その内容に応じ、告発に準じてその内容を確認・精査し、相当の理由があると認めた場合は、相談者に対して告発の意思の有無を確認するものとする。この場合において、最高管理責任者が当該事案の調査を開始することが相当と判断した場合にあっては相談者の意思表示の有無にかかわらず調査を開始することができる。
6 不正行為が行われようとしている、不正行為を求められているという相談を受けた場合は、その内容を確認・精査し、相当の理由があると認めたときは、最高管理責任者は、対象者に警告を行うものとする。ただし、対象者が本学に所属しない場合は、被告発者の所属する研究機関に事案を回付することができる。
7 次の各号に該当する告発があった場合は、当該研究機関と合同で調査を行うものとする。
(1) 本学に所属する被告発者が他の研究機関で行った研究に係る告発があった場合又は他の研究機関に所属する被告発者が本学で行った研究に係る告発があった場合
(2) 被告発者が、既に本学を離職し他の研究機関に所属している場合で、告発された事案に係る研究を本学で行っていた場合
(3) 被告発者が、既に他の研究機関を離職し、告発された事案に係る研究を当該研究機関で行っていた場合で、本学に所属している場合
8 被告発者が告発された事案に係る研究を本学で行っていた場合で、本学を離職後、どの研究機関にも所属していない場合は、本学で調査を行うものとする。ただし、当該研究が資金配分機関の資金によるものであり、当該資金配分機関が本学による調査の実施が極めて困難であると認め、自ら調査を行う場合を除く。
(告発者・被告発者の取扱い)
第10条 最高管理責任者は、告発者、被告発者、告発内容及び調査内容について、調査結果の公表まで、告発者及び被告発者の意に反して調査関係者以外に漏えいしないよう必要な措置を講じなければならない。
2 調査事案が漏えいした場合、最高管理責任者は告発者及び被告発者の了解を得て、調査中にかかわらず調査事案について公に説明することができる。ただし、告発者又は被告発者の責により漏えいした場合は、当人の了解は不要とする。
3 最高管理責任者は、悪意に基づく告発を防止するため、調査の結果、悪意に基づく告発であったことが判明した場合は、告発者に対し、氏名の公表や懲戒処分、刑事告発等の措置がありうることを周知する。
4 最高管理責任者は、悪意に基づく告発であることが判明しない限り、単に告発したことを理由に告発者に対し、解雇や配置転換、懲戒処分、降格、減給等を行ってはならない。
5 最高管理責任者は、相当な理由なしに、単に告発がなされたことのみをもって、被告発者の研究活動を全面的に禁止したり、解雇や配置転換、懲戒処分、降格、減給等を行ったりしてはならない。
(予備調査)
第11条 最高管理責任者は、告発を受け付けた場合速やかに被告発者の所属する部局若しくは告発に係る研究を行った時期に被告発者が所属した部局の長又は部局の長に代わる者(以下「部局長等」という。)に予備調査を行わせるものとする。
2 部局長等は、告発された不正行為が行われた可能性、告発の際示された科学的合理的理由の論理性、告発された研究の公表から告発までの期間が、生データ、実験・観察ノート、実験試料・試薬など研究成果の事後の検証を可能とするものについての各研究分野の特性に応じた合理的な保存期間又は被告発者が所属する研究機関が定める保存期間を超えるか否かなど告発内容の合理性、調査可能性等について予備調査を行い、調査結果を最高管理責任者に報告するものとする。
3 告発がなされる前に取り下げられた論文等に対する予備調査を行う場合は、取り下げに至った経緯・事情を含め、不正行為の問題として調査すべきものか否か調査し、判断するものとする。
4 最高管理責任者は、予備調査の結果報告を受け、原則として告発の受付から30日以内に本調査を行うか否か決定するものとする。
5 最高管理責任者は、本調査を行わないことを決定した場合、その旨を理由とともに告発者に通知するものとし、予備調査に係る資料等は保存し、資金配分機関や告発者の求めに応じ開示するものとする。
(本調査)
第12条 最高管理責任者は、前条に規定する予備調査の結果、本調査が必要と判断した場合において、原則として本調査の実施決定後30日以内に本調査を開始する。
2 本調査は、指摘された当該研究に係る論文や実験・観察ノート、生データ等の各種資料の精査や、関係者のヒアリング、再実験の要請などにより行うものとする。
3 本調査を行うことを決定した場合、最高管理責任者は、告発者及び被告発者に対し、本調査を行うことを通知し、調査への協力を求めるとともに、被告発者が本学以外の研究機関に所属している場合は、当該所属機関にも通知し、調査への協力を要請するものとする。また、文部科学省及び当該事案に係る資金配分機関にも本調査を行う旨通知する。
4 告発された事案の調査に当たっては、告発者が了承したときを除き、調査関係者以外の者や被告発者に告発者が特定されないよう周到に配慮するものとする。
5 当該事案に係る資金配分機関等の求めがあった場合は、調査の終了前であっても、調査の中間報告を当該資金配分機関等に提出しなければならない。
6 調査に当たっては、調査対象における公表前のデータ、論文等の研究又は技術上秘密とすべき情報が、調査の遂行上必要な範囲外に漏えいすることのないよう十分配慮しなければならない。
(調査委員会)
第13条 最高管理責任者は、本調査を行うことを決定した場合、調査委員会(以下「委員会」という。)を設置し本調査に当たらせるものとする。
2 委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。ただし、委員の過半数は外部有識者で構成し、委員は告発者及び被告発者と直接の利害関係を有しない者とする。
(1) 統括管理責任者
(2) 被告発者の所属する部局の長又はこれに準ずる者(予備調査を行った部局長等)
(3) 当該研究分野の研究者
(4) その他、委員会が必要と認めた者
3 委員会に委員長を置き、前項第1号の委員をもって充てる。
4 委員長は、委員会を招集し、その議長となる。
5 委員長に事故があるときは、委員長があらかじめ指名した委員がその職務を代行する。
6 委員会が必要と認めたときは、委員以外の者に出席を求め、意見を聴くことができる。
7 委員は、任務上知り得た調査内容を漏らしてはならない。
8 最高管理責任者は、委員会を設置したときは、委員の氏名及び所属を告発者及び被告発者に示すものとし、告発者及び被告発者は、7日以内に異議申立てをすることができる。
9 前項に規定する異議申立てがあった場合、最高管理責任者は内容を審査し、その内容が妥当であると判断したときは、当該異議申立てに係る委員を交代させるとともに、その旨を告発者及び被告発者に通知する。
(調査方法・権限)
第14条 予備調査を行う部局長等及び本調査を行う委員会は、調査に必要な権限を有するものとし、告発者及び被告発者などの関係者は誠実に協力しなければならない。
2 委員会は、調査の過程において、被告発者に弁明の機会を与えなければならない。
3 被告発者が、委員会から再実験などにより再現性を示すことを求められた場合又は自らの意思によりそれを申し出て委員会が認める場合、委員会は、それに要する期間及び機会(機器、経費等を含む。)を合理的に必要と判断される範囲内において保障しなければならない。ただし、被告発者により同じ内容の申し出が繰り返して行われた場合において、それが当該事案の引き延ばしを主な目的としたものであると委員会が判断するときは、当該申し出を認めないことができる。
4 委員会は、必要に応じ、告発等に係る研究のほか、調査に関連した被告発者の他の研究をも調査の対象に含めることができる。
5 委員会は、本調査に当たって、告発等に係る研究に関して、証拠となるような資料等を保全する措置をとるものとする。ただし、これらの措置に影響しない範囲内であれば、被告発者の研究活動を制限しないものとする。
(被告発者の説明責任)
第15条 委員会の調査において、被告発者が告発に係る疑惑を晴らそうとする場合には、自己の責任において、当該研究が科学的に適正な方法と手続に則って行われたこと、論文等もそれに基づいて適切な表現で書かれたものであることを、科学的根拠を示して説明しなければならない。
2 不正行為に関する証拠が提出された場合には、被告発者の説明及びその他の証拠によって、不正行為であるとの疑いが覆されないときは、不正行為と認定する。また、被告発者が生データや実験・観察ノート、実験試料・試薬等の不存在など、本来存在すべき基本的な要素の不足により証拠を示せない場合も同様とする。
3 前項の規定にかかわらず、被告発者が善良な管理者の注意義務を履行していたにもかかわらず、災害等被告発者の責によらない理由により、基本的な要素を十分に示すことができなくなった場合等正当な理由があると認められる場合又は生データや実験・観察ノート、実験試料・試薬などの不存在が、各研究分野の特性に応じた合理的な保存期間や被告発者が所属する若しくは告発等に係る研究を行っていたときに所属していた研究機関が定める保存期間を超えることによるものである場合は、この限りではない。
(認定)
第16条 委員会は、前条第1項に基づき被告発者が行う説明を受けるとともに、調査によって得られた、物的・科学的証拠、証言、被告発者の自認等の諸証拠を総合的に判断して、不正行為か否かの認定を行うものとする。ただし、被告発者の自認を唯一の証拠として不正行為と認定することはできない。
2 委員会は、本調査の開始後、原則として150日以内に調査した内容をまとめ、不正行為が行われたか否か、不正行為と認定された場合はその内容、不正行為に関与した者とその関与の度合、不正行為と認定された研究に係る論文等の各著者の当該論文等及び当該研究における役割を認定する。
3 不正行為が行われなかったと認定される場合であって、調査を通じて告発が悪意に基づくものであることが判明したときは、委員会は、併せてその旨の認定を行うものとし、この認定を行うに当たっては、告発者に弁明の機会を与えなければならない。
4 委員会は、認定を終了したときは、ただちに最高管理責任者に報告しなければならない。
(調査結果の報告及び通知)
第17条 最高管理責任者は、調査結果を速やかに告発者及び被告発者(被告発者以外で不正行為に関与したと認定された者を含む。以下同じ。)に通知するものとする。加えて、文部科学省及び当該事案に係る資金配分機関にも、調査結果を通知するものとする。
2 被告発者が、本学以外の研究機関に所属している場合は、当該所属機関にも当該調査結果を通知するものとする。
3 告発等がなされる前に取り下げられた論文等に係る調査で、不正行為があったと認定されたときは、取り下げなど研究者が自ら行った善後措置や、その措置をとるに至った経緯・事情等を調査結果に付すものとする。
4 悪意に基づく告発との認定があった場合で、告発者が他の研究機関の所属である場合は、当該研究機関にも通知するものとする。
(不服申立て)
第18条 不正行為と認定された被告発者は、前条第1項に規定する通知を受け取った日から14日以内に、最高管理責任者に不服申立てをすることができる。ただし、その期間内であっても、同一理由による不服申立てを繰り返すことはできない。
3 告発が悪意に基づくものと認定された告発者(被告発者の不服申立ての審査の段階で悪意に基づく告発と認定された者を含む。)は、第1項の規定に準じて不服申立てをすることができる。
4 不服申立ての審査は委員会が行うこととし、不服申立ての趣旨が新たに専門性を要する判断が必要となるものであり、かつ最高管理責任者が必要と認める場合は、調査委員の交代若しくは追加又は委員会に代えて他の者に審査をさせることができる。
5 不正行為があったと認定された場合に係る被告発者による不服申立てについて、委員会は、不服申立ての趣旨、理由等を勘案し、当該事案の再調査を行うか否かを速やかに決定する。
6 委員会は、当該事案の再調査を行うまでもなく、不服申立てを却下すべきものと決定した場合には、ただちに最高管理責任者に報告し、最高管理責任者は被告発者に当該決定を通知する。このとき、当該不服申立てが当該事案の引き延ばしや認定に伴う各措置の先送りを主な目的であると委員会が判断するときは、最高管理責任者は以後の不服申立てを受け付けないことができる。
7 再調査を行う決定を行った場合には、委員会は被告発者に対し、先の調査結果を覆すに足る資料の提出等、当該事案の速やかな解決に向けて、再調査に協力することを求めるものとする。
8 前項に規定する協力が得られない場合には、委員会は再調査を行わず、審査を打ち切ることができる。その場合にはただちに最高管理責任者に報告し、最高管理責任者は被告発者に当該決定を通知する。
9 最高管理責任者は、被告発者から不正行為の認定に係る不服申立てがあったとき、不服申立ての却下及び再調査開始の決定をしたときは、告発者に通知するものとする。加えて、文部科学省及び当該事案に係る資金配分機関にも同様に通知するものとする。
10 委員会が再調査を開始した場合は、原則として50日以内に、先の調査結果を覆すか否かを決定し、その結果をただちに最高管理責任者に報告し、最高管理責任者は当該結果を被告発者(被告発者が他の研究機関に所属する場合は当該機関を含む)及び告発者に通知する。
11 悪意に基づく告発と認定された告発者から不服申立てがあった場合、最高管理責任者は、告発者が所属する機関及び被告発者に通知する。
12 前項に規定する不服申立てについては、委員会は原則として30日以内に再調査を行い、その結果を最高管理責任者に報告するものとし、最高管理責任者は、審査結果を告発者及び被告発者に通知する。
(調査結果の公表)
第19条 最高管理責任者は、不正行為が行われたとの認定があった場合は、合理的な理由のため不開示とする必要があると認めた場合を除き、速やかに調査結果として次の各号に掲げる事項を公表する。ただし、告発等がなされる前に取り下げられた論文等において不正行為があったと認定されたときは、不正行為に係る者の氏名・所属を公表しないことができる。
(1) 不正行為に関与した者の氏名・所属
(2) 不正行為の内容
(3) 公表時までに行った措置の内容
(4) 調査委員の氏名・所属
(5) 調査の方法・手順等
(6) その他、最高管理責任者が必要と認めた事項
2 最高管理責任者は、不正行為が行われなかったとの認定があった場合は、原則として調査結果を公表しない。ただし、公表までに調査事案が外部に漏えいしていた場合及び論文等に故意によるものでない誤りがあった場合は、調査結果として次の各号に掲げる内容を公表する。
(1) 不正行為は行われなかったこと(論文等に故意によるものでない誤りがあった場合はそのことも含む。)
(2) 被告発者の所属
(3) 調査委員の氏名・所属
(4) 調査の方法・手順等
(5) その他、最高管理責任者が必要と認めた事項
3 最高管理責任者は、告発が悪意によるものである旨の報告を受けた場合は、告発者の氏名及び所属を公表する。
(被告発者及び告発者に対する措置)
第20条 最高管理責任者は、委員会の調査の結果、次の各号のいずれかに認定された者に対し、国立大学法人鹿児島大学職員就業規則(平成16年規則第43号)、国立大学法人鹿児島大学船員就業規則(平成16年規則第44号)、国立大学法人鹿児島大学非常勤職員就業規則(平成16年規則第45号)、国立大学法人鹿児島大学契約職員就業規則(平成16年規則第46号)、国立大学法人鹿児島大学特任職員就業規則(平成18年規則第66号)及び国立大学法人鹿児島大学職員懲戒規則(平成16年規則第47号)に基づき、処分を決定するものとする。
(1) 不正行為が行われたと認定された被告発者
(2) 不正行為に関与したとまでは認定されないが、不正行為が認定された論文等の内容について責任を負う者として認定された者
(3) 告発が悪意に基づくものと認定された告発者
3 不正行為は行われなかったと認定された場合、調査関係者に対して不正行為が行われなかった旨を周知する等、不正行為を行わなかったと認定された者の名誉を回復する措置及び不利益が生じないための措置を講じるとともに、証拠保全の措置については、不服申立てがないまま申立て期間が経過した後又は不服申立ての審査結果が確定した後、速やかに解除するものとする。
(研究に係る経費の使用停止・中止・返還等)
第21条 最高管理責任者は、本調査を実施することを決めてから委員会の調査結果の報告を受けるまでの間、告発された研究に係る研究費の使用を停止することができる。
2 最高管理責任者は、不正行為が行われたとの認定があった場合は、被認定者に対し、ただちに当該競争的資金の使用中止を命じ、当該研究に係る経費について、一部又は全部を返還させることができる。
3 最高管理責任者は、不正行為の事実が行われなかったと認定された場合、被告発者にとった研究に係る経費の使用停止を解除するものとする。
(事務)
第22条 第13条に規定する委員会の事務は、関係部署の協力を得て研究推進部研究協力課において処理する。
(雑則)
第23条 この規則に定めるもののほか、研究活動上の不正行為について必要な事項は、別に定める。
附則
この規則は、平成19年2月23日から施行する。
附則
この規則は、平成19年7月11日から施行し、平成19年4月1日から適用する。
附則
この規則は、平成27年4月1日から施行する。
附則
この規則は、平成28年10月1日から施行する。
附則
この規則は、平成29年4月1日から施行する。
附則
この規則は、平成31年4月1日から施行する。
附則
この規則は、令和3年4月1日から施行する。
附則
この規則は、令和4年4月1日から施行する。
附則
この規則は、令和5年9月28日から施行する。